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社会保障

概要

 社会保障とは、誰にでも起こりうる病気や怪我、障害、失業などの生活上の問題による貧困を救い、安定した生活を行えるよう、国家または社会が所得を保証し、医療や介護などのサービスを行う制度全般のことである。

 日本における社会保障は、狭義では福祉六法や、それに派生、関連した政策のことを指す。広義においては、それに公衆衛生の政策や恩給、戦争犠牲者援護を加えたものを指している。

種類

 社会保障に充てる財源の種類によって、ふたつに分けられている。雇用者や雇用主から財源を供出するビスマルク型と、国からの一般税収を充てるベバリッジ型とである。日本における社会保障制度はビスマルク型に相当する。その分類は、社会保険、公的扶助、社会福祉、公衆衛生及び医療、老人保健(2008年4月1日より後期高齢者医療制度)である。

気を付けるべきポイント

 日本の社会保障における財源は、25%弱が高齢者に充てられており、極端に偏っている。その原因のひとつは、先進国において最も早く訪れている少子高齢社会だとの指摘がある。

背景

 社会保障は、国民に労働と納税の義務を課す代わりに、万が一の際があっても、社会での生活を保障するために設けられている制度である。

歴史

 社会保障の仕組みの基礎は、資本主義が定着した産業革命にまで遡れる。

 1831年ドイツで初めての疾病保険が制定。その後、労災保険、年金保険と社会保険制度が充実されていった。これは既存の共済組合を利用したもので、その時の権力者オットー・フォン・ビスマルクの名前を借りてビスマルク型と呼ばれるようになり、世界各国へ広まっていった。

 1929年に世界恐慌が発生すると、各国では失業者が溢れ、社会不安が増大した。アメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトが行ったニューディール政策の一環に、連邦社会保障法という名前が登場するが、これは現在の社会保障(社会福祉)ではなく年金や健康保険、失業保険が主体であった。

 1942年、イギリスの経済学者ウィリアム・ベバリッジが纏めた「社会保険と関連サービス」に関するベバリッジ報告書には、有名な「ゆりかごから墓場まで」、の文言が登場する。この報告書は公的扶助・関連諸サービスが統合され、戦後の社会保障の理想的体系(ナショナル・ミニマムの保障)が記されたもので、多くの国に影響を与えた。この時の提言には、社会保障制度を均一拠出・均一給付を提言としており、これが「ベバリッジ型」と呼ばれるようになった由来となっている。

 第2次世界大戦が終結すると、貧困が社会不安と戦争を生み出したとして、1948年12月16日、国際連合は世界人権宣言を批准し、前文第22条に社会保障を人権のひとつとして明記した。

 1970年代になると一転して、社会保障の抑制が叫ばれるようになる。オイルショックによる低成長化で社会保障に充てる税収減少が背景にあり、脱工業化による労働者の均質性崩壊から来る労働組合の弱体化、及び、経済のグローバル化による資本移動の自由化なども一因となっている。この頃から、先進各国での急激な少子高齢化による社会保障費の増大が懸念され始め、社会保障の抑制や見直しを世論が求めるようになった。

 日本では、2012年の細川内閣で消費税法を改正し、新たに国民福祉税を設け、税収を上げることが検討された経緯がある。

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