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CSR/企業の社会的責任

概要

 CSRとは、企業は株主だけでなく、顧客・従業員・取引先・地域住民などの利害関係者と良好な関係を築きながら企業運営を行っていく責任があり、その責任を負うことを言う。

 CSRは単純に法律を遵守するということだけではない。企業が社会の求めるものに対し、自身の強みを結びつけることで、市場が活性化する。企業にとっては市場との信頼が構築でき、競争力も向上する。その結果、企業の株価が上昇する。つまり、CSRを行うことで、企業と市場がともに発展していくのである。

長所・短所

 CSRの長所は、CSR活動により新しい価値を生み出すことができ、他社との差別化が容易になり、市場から見て優位性のある企業としてみなされやすくなるため、資金調達がしやすくなる。また、事業継続が困難になる事態(法令違反などの法律的・倫理的・道徳的に反する行為など)を避けることができる。

 さらに、自治体に対して入札の際はCSRの観点で企業を評価するケースが増えており、入札が通りやすくなるだけでなく、雇用面でも自社の宣伝となり、優秀な人材の確保ができ、かつ、確保した従業員のモチベーションが維持できるので、離職が防止される。そして、従業員のモチベーションの高さが顧客満足度の向上につながり、売上・利益の拡大につながる。

 CSRの短所は、CSR活動を行うにあたり、コストがかかることが挙げられる。また、日本でCSRは無償奉仕というイメージが強く、CSR活動を展開する際にPR手法を間違えると、利害関係者から偽善で行っているという負のイメージを持たれてしまう。

 さらにCSR活動の結果は直接売上に影響しないため、費用対効果の測定ができない。よって経営層の理解が得られないケースも存在する。

背景

 CSRの歴史は1970年代、アメリカにて企業不祥事が相次ぎ、企業が自助努力で倫理観を高めようとする動きが始まりとされる。具体的には地球環境への配慮、利害関係者を尊重する企業の姿勢などを強化する動きであった。

 2000年には国連より企業の人権・労働・環境などの行動規範をまとめたレポートが発表された。イギリスとフランスではCSR担当大臣というポストが設けられている。

 日本では1992年に経団連が会員企業に対して、税引き前利益の1%を社会貢献に投じることを呼びかけたのがCSR活動のはじめとされ、2003年には企業内にCSR部が設けられるなど、一部の大企業にてCSR活動が積極的に開始された。理由は企業活動がグローバル化する中で、海外進出企業が海外市場の中で評価を受け、競争に勝つためにCSR活動を求められるようになったためである。

 2011年には東日本大震災が発生し、多くの企業がCSR活動で支援活動や寄付を行った。これにより一般消費者にもCSR活動という概念が一気に広がった。

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