2020.6.26 (Fri)

理想的な会社の在り方とは(第24回)

コロナで活況「スモールM&A」という選択肢

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 後継者がいない中小企業や経営に苦しむ小売店などのM&Aが、増加傾向にあります。背景にあるのが、無料で利用できる「M&Aマッチングサービス」の存在です。事業承継による雇用維持や創業者利益の獲得などメリットも多いM&AとそれをサポートするM&Aマッチングサービスについて解説します。

3カ月で成約に至ることも。M&Aの流れとは

 M&Aとは、企業の合併や買収のことです。買いたいと考える企業と売りたいと考える企業が、「M&Aの仲介企業に相談する」「地元の信用金庫や会計士に相談する」「M&Aのマッチングサービスに登録する」ことでスタートします。

 条件に合う企業が見つかったら面談を行い、事業に対する価値観や条件をすり合わせ、互いの相性を見極めて、デューデリジェンス(評価)を経た上で契約を交わします。契約は、だいたい3~10カ月ぐらいでまとまるケースが多いですが、長い場合は1年、2年と時間がかかることもあります。

 M&Aでの売り手側の大きなメリットは、事業が継続できることです。事業を畳むか否かの選択を迫られた企業が「M&Aで復活した」というケースは少なくありません。

 最近はベンチャー企業の経営者が、自社の成長のためM&Aを選択するケースも見受けられ、「独立子会社として事業を行う」「M&A後も社長として会社に残り舵取りを継続する」「従業員の雇用は維持」など、売り手の希望を尊重した契約の事例も多々あります。

莫大な売却益、企業崩壊、M&Aメリットデメリット

 M&Aでは、企業の価値によって数百万円~数億円単位の創業者利益(売却益)が手に入るメリットもあります。そういったケースでは、売却益を原資に新たな事業を始めるという選択肢も生まれます。

 一方で、「自身の役職が保証されないことがある」「キーマン条項(ロックアップ)と呼ばれる活動制限がつく」「価値観が異なる企業に買収されると文化や伝統が壊れる可能性がある」といったデメリットも存在します。

 とはいえ、M&Aが事業継続や事業成長の有効な手段のひとつであることは間違いありません。不測の事態によって事業の継続が行き詰まったとき、新たな事業に挑戦したいと考えたときなどには、M&Aも視野に入れておくと選択肢が広がるでしょう。

個人店舗や小規模企業の「スモールM&A」が活況

 昨今、M&A市場を盛り上げているのが「スモールM&A」と呼ばれる小規模事業者を対象にしたM&Aです。おもに飲食店、美容室、クリニックをはじめとする店舗事業者や、年商1億円以下の小規模企業を対象としており、マッチングサービスもあります。どのような売り手がどんな条件で買い手を探しているのか、下記に挙げる代表的なマッチングサービスなどで確認してみると分かります。

Batonz
M&A仲介大手の日本M&Aセンターが立ち上げたM&Aプラットフォーム(現在は株式会社バトンズが運営)。3カ月以内に成約に至る案件も多数あり。売上高数百万円~数億円の企業が幅広く登録している。専門家によるサポートも手厚い。

TRANBI
国内最大級のM&Aプラットフォーム。1社につき平均15社の買い手が集まり、成約率が高い。M&Aに関するコラムや動画も多数アップされており、基礎を学びたい人にも役立つ。

ビズリーチ・サクシード
ビズリーチやキャリトレを運営するビジョナル株式会社が展開するM&Aプラットフォーム。買い手は審査を通過した法人のみ。売上高数千万円~数億円規模の案件が揃う。

 これらのマッチングサービスの特徴は、多くの場合、無料で利用できることです。従来型のM&Aの場合、売り手側、買い手側、双方に営業担当者がつくため最低でも数百万円の手数料がかかります。マッチングサービスは、M&Aの増加を後押しするひとつの要因になっていると言えます。

 M&Aのほかに、大手企業が他企業の顧客向け事業を支援するBBXと呼ばれる提携形態も、事業継続や事業成長のひとつの手段として注目を集めつつあります。自然災害、感染症など、予測不可能な事態が続く昨今。企業の生き残りのカギとして、M&Aをはじめとするマッチングやコラボレーションへの注目はますます高まっていくでしょう。

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