まさかのために備える知識(第13回)

防犯カメラのコストを見直しませんか?

posted by 大竹 利実

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(2018.11.26更新)
 防犯対策は、企業の危機管理対策となるものです。警備会社と契約して、警備員を配置する、入退室管理をする、緊急時に駆けつけ対応を行うなどの対策をとっている企業も多くあるでしょう。

 その中でも比較的コストが手頃で、導入の手間も少なく済むのが、「防犯カメラ」です。事故や事件が起きた時の物的証拠になることはもちろん、出入り口や事業所内にカメラがあるというだけで、犯罪やトラブルを未然に防ぐ効果が期待できます。

 しかし、コストが手頃で手軽なはずの防犯カメラも、使い方次第では逆にコストがかさんでしまう恐れもあります。もし導入してから時間が経っている場合は、コストを見直したほうがよいかもしれません。

 本記事では、防犯カメラの賢い利用方法、見直し方法を紹介します。

コストと安全性を両立した防犯対策とは

 法務省が発表した2017年版の「平成29年度版 犯罪白書」によれば、犯罪の認知件数は2003年以降減少しており、特に2016年は、戦後初めて100万件を下回る99万6,120件でした。

 とはいえ、「犯罪の心配はまったくない」というわけではありません。たしかにピークと比べれば少なくなりましたが、凶悪事件の発生は後を絶たず、特殊詐欺や児童虐待、配偶者間暴力、ストーカー犯罪などは近年増加しています。そして窃盗などの身近で起こる事件に関しては再犯の問題が顕著です。さらに高齢犯罪者の問題も顕在化しています

 こうした犯罪から企業を守るために、防犯対策を充実させておきたいところではありますが、多大なコストや手間をかけてしまうことは、経営の圧迫に繋がる恐れがあります。たとえば、常駐の警備員の配置や、厳重な入退室管理システム、赤外線などによる侵入者の感知、異常時の駆けつけ対応といった対策は、防犯対策としては優れていますが、それ相応にコストがかかってしまいます。

 そんな中で、比較的手頃で手間が少なく導入できるのが防犯カメラです。他の警備システムに比べれば、設置にかかる手間も少なく、かつ設置するだけでも犯罪やトラブルを防ぐ効果が期待できるため、効率のよい防犯対策といえるでしょう。

「コストが手頃」なはずの防犯カメラがコスト増につながる罠

 もしかすると、防犯カメラを導入している企業の中には、「すでに防犯カメラを設置しているから、防犯対策は問題ない」と判断しているところもあるかもしれません。

 もちろん防犯対策としてそれで良いかもしれませんが、その場合、コスト面で見直しの余地があるかもしれません。たとえば、防犯カメラの中でも、HDDレコーダー(ハードディスクレコーダー)に録画するタイプの防犯カメラを使っている場合です。

 HDDレコーダータイプの防犯カメラの場合、使い続けるうちにHDDの交換や保守費用などのランニングコストがかさんでしまいがちです。特定のテレビ番組だけを録画する家庭用HDDレコーダーと違い、防犯カメラの場合は24時間常に録画し続けなければならないため、稼動時間が非常に長いのです。

 またレコーダーが故障してから取り替えるとなると、その間は防犯カメラの映像が録画できません。つまり、防犯できていない隙が生まれてしまうことになります。これでは、せっかくの防犯カメラの意味がありません。そのため、防犯カメラのHDDレコーダーはこまめな点検や交換が推奨されており、その結果、ランニングコストが増える可能性があるのです。

 そもそもHDDレコーダー自体が盗難されてしまう恐れもあります。盗難されてしまうと、犯罪の証拠隠滅や情報流出に繋がるリスクもあり、企業としての社会的信用を大きく失ってしまうことにもなりかねません。

クラウド型はHDDレコーダーを自社で保有・管理する必要なし

 このような課題を解決するために注目されているのが「クラウド型」のカメラサービスです。

 クラウド型カメラサービスは、インターネットを経由してサーバー上にデータを保存するため、HDDレコーダーが不要になります。そのため、HDDレコーダーを自社で保管し、保守・交換する必要はありません。つまり、これまで負担していたメンテナンスのコストの軽減が期待できます。

 また、安全性においても優れています。撮影した映像は、サービスによっては堅牢なデータセンターで保管されるため、映像のデータが壊れたり、盗難に遭う可能性は低いです。さらに、導入コストに関しても、HDDレコーダーを購入する費用が不要な分、初期投資を抑えられます。具体的なサービスとしては、NTT東日本の「ギガらくカメラ」などがあります。

 ギガらくカメラは、録画したデータをサーバー上に保存するので、インターネット接続環境があれば、カメラ設置場所から離れたところからでも状況が確認できます。たとえば、複数の店舗や拠点を展開する事業者などは、各所を訪問する代わりとして録画映像を確認するといった利用方法も考えられます。また訪問負担を軽減させるだけでなく、現場のシフトや業務体制を見直しするための材料としても活用することができるでしょう。

 ただし業務体制の見直しのためとして、小売業・飲食業などで店内を記録する場合は来客も録画することになります。万が一、店内の録画データが外部に流出したとなれば、お客さまの個人情報流出という事業者の信用低下を招くケースも考えられます。

 その点でクラウド型カメラサービスを選定する際には、情報セキュリティなどの安全対策も確認しておくべきでしょう。ギガらくカメラでは、録画映像がNTT東日本のクラウドサーバーにプランに応じ、一定期間保存されています。このサーバーは、サイバー攻撃に対して24時間、365日体制による監視を行っており、セキュリティレベルが高い環境で保管されます。

 クラウド型カメラサービスを提供する事業者は増えつつあり、どれを選んだら良いのか迷ってしまうかもしれません。しかし、「自社の目的に合ったサービスはどれか」「安全対策はどのようになされているのか」という2つの観点で選ぶことが、クラウド型カメラサービスによって業務効率化や防犯を充実させるポイントとなるでしょう。

※ご利用にはインターネット接続環境のほかに、グローバルIPアドレスを割り当てているプロバイダの契約が必要です。

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大竹 利実

大竹 利実

20年以上のライター経験を持つITライター。某外資系大手IT企業で専属ライターの経験もあり。横丁、大衆酒場といった場所には目がない。

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