ICTで業務を効率化(第16回)

「使えない社内システム」からの脱却はクラウドで

posted by 佐京 正則

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 社内システムの構築・運用を独自で行うには専任の人材が必要となり、人件費をはじめとしたコストがかかります。また「とりあえず動けばOK」程度の社内システムは、業務関係資料の増加についていけず、業務を停滞させてしまう可能性すらあるのです。こういった「使えない社内システム」を作らないためにはどうしたら良いのでしょうか。そのカギはクラウドサービスが握っています。

非ICT企業が社内システムを構築するということ

 社内システムは、文字通り社内に向けてサービスを提供するシステムを指します。社内システム構築の主な目的は「業務効率化」「生産性向上」「コミュニケーションコスト削減」の3点に集約されます。社内システムを構築すれば、例えば手書きの伝票をデータとして作成できるようになるでしょう。また、部門間でデータのやり取りが簡単になり、離れたフロア同士でも円滑かつ迅速な連絡が行えるといった効果も期待できます。

 一方で、デメリットもあります。特に本業がICTではない企業の場合、社内システムの構築・運用にかかる手間は無視できません。社内システムの構築・運用には人材の調達(もしくは教育)、機材(サーバーやネットワーク機器)の調達、ライセンス管理、障害発生時の保守ベンダー対応などが含まれます。もちろん、こういった業務をこなせる人材が複数存在しているのなら、それほど心配はいりません。

 しかし、専門知識のない社員を担当者に任命し、何とか動く社内システムを構築した場合、良い結果を生むとは言い難いです。実際、「とりあえず作った」という形の社内システムが、無理矢理動かされているケースは珍しくありません。それどころか、業務の拡張や変化に社内システムがついていけず、誰も全容を把握していないブラックボックスが完成することもあります。はたしてこのような社内システムは、本当に「使える」システムなのでしょうか。

とりあえず設置した社内システム、本当に使えていますか?

 とりあえず構築し、不足分を補いつつ稼働させている社内システムは、非常事態に弱いものです。

 万が一、何らかの障害が発生すると、影響範囲の調査や改修コストの見積もりすら正確にできません。さらに、五月雨式に発生する障害と、それに伴う復旧対応に追われ続けることになります。頻繁にダウンする社内システムは社員の業務リズムを崩し、遅滞を招くでしょう。

 こうして場当たり的に成立させ続けた社内システムは、いつの日か不整合を起こして致命的な障害を発生させ、停止を余儀なくされる可能性が高いです。では、「使える」社内システムを構築するにはどうしたら良いのでしょうか。

 健全な社内システムの大前提は「手を加えずとも動き続けること」です。ある程度のメンテナンスは必要だとしても、頻繁に改修が必要なようでは、社内システムが存在する意義は薄いでしょう。

 また「仕様が一元化されていて、担当者が変わっても運用可能である」ことも重要です。各機能の仕様がまとめられておらず、最適化されていない社内システムは、安定した継続稼働が期待できません。さらに、担当者の属人的なスキルや知見によって動き続ける社内システムは、ノウハウが蓄積されにくいというデメリットもあります。

 これらを総合すると、自社で社内システムを構築することが必ずしも正解とは言えないことが見えてくるはずです。予算や人的リソースに不安があるならば、最初から最低限の機能が担保されているクラウドサービスの導入も検討すべきでしょう。

クラウドでセキュアかつ可用性の高い社内システムを

 ICTに対するノウハウ・知見を持たない企業の場合、断片的に社内システムを構築するのはおすすめできません。それよりも信頼できる事業者にクラウドサービス、ネットワーク、ゲートウェイなどを含むソリューションを提供してもらうことを検討してみましょう。特にクラウドサービスの選定、セキュアな閉域網の提供、閉域網とクラウドサービスをつなぐゲートウェイの構築までをワンストップで行う事業者が好ましいです。

 調達・運用・障害対応コストをトータルに考えた場合、自社内にオンプレミス型の社内システムを構築するよりもコストが小さくなります。また、業務の拡大に伴って処理能力を強化したり、新機能を追加したりという場合でも、クラウドは強みを発揮します。クラウドはスケーラビリティ(拡張可能性)の高さが特徴のひとつだからです。

 さらに加えるならば、できるだけ大きなバックボーンを備えた事業者を選定すべきです。通信の速度と安定性が増し、社内システムを利用する社員の満足度も高くなります。クラウドの活用で手間と費用を削減しつつ、安定して継続利用できるメリットを実感しやすいでしょう。

 クラウド、閉域網、セキュアゲートウェイの組み合わせは、最も対策が難しいセキュリティ面への対応が不要なことも大きなメリットです。サイバー犯罪に巻き込まれることは、現代の企業にとって大きなリスクを伴うため、セキュリティ対策まで含めたサービス選定を心がけていきましょう。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2018年3月12日)のものです。

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http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160610002/20160610002.pdf
https://www.ipa.go.jp/icscoe/activities/index.html

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佐京 正則

佐京 正則

法学部を卒業後、IT業界にて約10年間、エンジニアやERPコンサルタントとして勤務。2015年よりフリーライターとして活動し、主にIT系ビジネスや不動産投資、社会人の転職事情などについて執筆中。文理両方の知見を活かし、テクノロジーとビジネスが結びついた話題を得意としている。

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