2020.6.26 (Fri)

ビジネスを成功に導く極意(第25回)

3密必至の接客業にニューノーマルビジネスを学ぶ

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 3密(密集、密接、密閉)を避けるといった新しい生活様式(ニューノーマル)により、人々の消費スタイルは大きく変化しています。そういった中で、ホテルや小売などのサービス業では事業を継続するために、これまでにない新しいサービスが続々と登場しています。サービス業が生き残りをかけた工夫とは? 事例で紹介します。

3密を防ぐ、サービス業の新たな取り組み

 ニューノーマルとは「新しい常態・常識」を意味する言葉で、コロナウイルスとの共存を前提とした社会における変化をさしています。多くのサービス業では人が触れ合うことが前提となっていたため、それに対応する新たな取り組みがいち早く行われています。

 旅館・リゾート運営大手の株式会社星野リゾートでは、5月1日よりビュッフェレストランを有する全施設で、ビュッフェ形式の料理提供を一時的に中止。前菜からデザートまでをコース感覚で楽しめるセットメニューを設定し、2メートル間隔に保たれたテーブルにホテルスタッフが配膳するサービスを開始しました。

 肌着大手の株式会社ワコールは、5秒で全身のサイズが計測できる3Dボディースキャナと、AIによる接客システムを店舗に導入。もともとは女性客の接客ストレスを減らすために2019年より始めた取り組みでしたが、人と接触せずに自分に合った下着を見つけられることによって、感染リスクに配慮したサービスとなっています。

 外食・中食産業向けに青果の卸売を手掛ける株式会社フードサプライは、インターネット上で購入したい青果を予約し、ドライブスルーで受け取る「ドライブスルー八百屋」を展開。人との接触を最小限に抑えるだけでなく、コロナ禍で余剰となった外食向けの野菜の廃棄を防ぐこともできる取り組みです。ドライブスルーサービスは、高島屋やイオンといった大手の百貨店や小売業の一部店舗でも導入されています。

「自宅から結婚式に参加できる」サービスも

 ウェブ会議システムを利用したリモートサービスも、ニューノーマルなビジネスとして注目を集めています。

 結婚式場やレストランを運営する株式会社サウスオーシャンズは、自宅にいながら結婚式に参加できる「リモート結婚式」サービスを始めました。ウェブ会議システムの利用が難しい人に向けて、結婚式や披露宴の模様を動画配信サイトでのライブ中継も行っています。これまで会場で提供されていた料理や引き出物は、結婚式に合わせてリモート参加者に宅配されます。

 墓石販売や霊園運営を手掛ける株式会社加登も、墓地や納骨堂をウェブ会議システムで見学できるリモートサービスを展開しています。現地スタッフがリアルタイムで霊園を案内するほか、同時接続が可能な点を活かし、離れて暮らす子どもや親戚とも一緒に見学できることが特徴となっています。

消費者の「外出を楽しみたい」に応えるサービスを

 総合コンサルティング会社の伊藤忠ファッションシステム株式会社が2020年4月に行った調査によると「コロナ収束後にやりたいこと」のトップ3は、「国内旅行」「友人・知人との外食」「商業施設での買い物」で、外出型の消費を望む声が多く挙がりました。

 「コロナ収束後に、洋服を買いに行きたいか?」という設問では、20~30代の女性のうち約60%が「店舗に洋服を買いに行きたい」と回答しています。コロナ禍でECサイトの利用頻度が高まるなかでも、店舗で好みの服を選びたい、買いに行くことでストレス発散をしたいという想いがうかがえます。

 ドライブスルーサービスやAI接客、リモートサービスは、こういった消費者の要望に応える新しいビジネスモデルです。サービス業にとどまらず、あらゆる業界でいかにニューノーマルなビジネスに取り組んでいくかは、今後の事業継続のカギとなるでしょう。

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