2016.4.19 (Tue)

ビジネスを成功に導く極意(第2回)

家電メーカー「アクア」を成功に導いた風雲児

posted by KEISUKE /studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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 家電業界の風雲児として注目を集めている、家電メーカー「アクア」の元代表取締役社長兼CEO、伊藤嘉明氏。業界を問わず名だたるグローバル企業を渡り歩き、必ず結果を残してきた実績は高く評価されています。アクアでも就任後わずか1年で、15年続いた赤字から脱却。改革に成功した伊藤氏の経営ビジョンや、個性的な商品を紹介します。

家電業界の風雲児

 スターウォーズ“D2-R2”型の移動式冷蔵庫は、さまざまなメディアで取り上げられたため記憶に残っている人もいることでしょう。あの個性的な商品を生み出した家電メーカーが「アクア」です。

 伊藤氏は、タイ・バンコクで生まれ育ちましたが、子ども時代は英語ができず学校で苦労したそうです。しかし悔しい経験をバネに、積極的に人前に出ていくようになったとのこと。

 タイの自動車メーカーに就職した後、渡米しMBAを取得。日本コカコーラ、デル、レノボ、ソニーピクチャーズエンターテイメントなどのグローバル企業を渡り歩いてきました。業界、職種を問わず転職し、素人からのスタートにもかかわらず、必ず結果を残してきた人物です。

 そんな伊藤氏が、2014年、当時「ハイアール・アジア」という社名だった現アクアの社長に就任します。白物家電の世界シェアトップクラスである中国大手家電メーカー「ハイアールグループ」が、旧三洋電機から冷蔵庫事業と洗濯機事業を買収したものの、赤字経営から抜け出せず、伊藤氏に経営者として立て直しを依頼したのです。

再生のための組織改革

 再生のために伊藤氏がまず取り組んだのは、組織改革。当時は無駄に役職が多く、14もの階層があったそうです。これを5つに絞り意思決定のスピードを上げました。そして古くからある慣習を次々と変えていったのです。

・年功序列の廃止
・残業禁止
・有給休暇100%消化を義務化
・成果主義の導入
・若手の抜てき

 経験や年齢に関係なく、気概のある人を引き上げ、仕事を任せていきました。

5つの経営ビジョン

 さらに、再生のために次のような経営ビジョンを掲示し、共有を進めました。

・変化を恐れない
・スピード重視
・悪いニュースは早めに知らせる
・オーナーとリーダーを意識
・能力主義

 とくにスピードに関しては、「60%の確度があれば先に進めよ」と徹底しています。たいていの場合、最初の仮説が間違っていても修正は可能です。企画や方針を完璧に仕上げてからスタートするのでは、後れを取るだけでなく、後戻りや修正が難しくなってしまいます。

 急激な組織改革や力強い経営ビジョンには、反発もあったそうです。しかし伊藤氏は、15年も続いた赤字をわずか1年で黒字転換し、周囲を納得させました。

個性的な商品を次々と発表

 さて、冒頭で紹介した“D2-R2”型の移動式冷蔵庫の他にもアクアでは、ユニークな商品を生み出しヒットさせています。

 わずか5ccの水で汚れを落とす、世界最小の洗濯機。扉に液晶ディスプレイを使用した冷蔵庫。現在はスケルトンの洗濯機を開発中とのこと。他に類を見ない斬新な商品には、ワクワクするものを作りたい、という伊藤氏の考えが反映されています。

 個性的だけではない、日本の技術力に裏打ちされた商品で、アクアブランドを再生することは、メイド・イン・ジャパンの再生になるとの信念で改革を進めているようです。

 「鉄は熱いうちに打て」ということわざもありますが、好機を逃さず物事を進めることは何事においても非常に重要です。しかし常に実行するのは難しいもの。いつも実現してきた伊藤氏だからこそ、多くの実績を上げることができたのでしょう。2016年3月、任期満了によりアクアを退任した伊藤氏。次なる活躍に期待したいところです。

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ライター・ウェブディレクター。プロのダンサーから転身。就職サイト、社会人向け情報サイト、エンタメサイトのウェブディレクターの経験を経て、記者、フリーライターとして活動しつつ、某テレビ局のサイト立ち上げ、コンサルなど幅広く活動している。

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