2016.7.21 (Thu)

まさかのために備える知識(第7回)

メタボなど成人病予備軍は会社の危機要因

posted by 株式会社アークコミュニケーションズ

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 メタボリックシンドロームや生活習慣病の原因は、当人の意識によるところが大きいものですが、従業員が一日の大半を過ごすのは会社であるので、会社も無関係とはいえません。社員を財産というのであれば、社員の健康も財産であるはずです。

 また、会社が国民の健康に果たす役割を国家として重要視する流れがあり、「健康経営」に取り組む企業に対して、金利を優遇する制度の導入が進んでいます。

メタボと生活習慣病の原因をおさらい

 メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪が増えて、血液中の脂質、血圧、血糖値が上昇している状態です。ウエスト回りが、男性で85センチ以上、女性で90センチ以上になっていると、メタボの可能性が大きいといわれます。放置すると加速度的に動脈硬化が進むので、生活習慣病を発症する前段階とされます。いってみれば糖尿病、高血圧症、脂質異常症、心臓病、脳卒中など、最悪の場合は死に至る病気の黄色信号なのです。

 原因は、健康によくない生活習慣を続けていること。具体的には、脂質や塩分の多い食事をとり、野菜と果物をあまり食べず、運動不足で、不規則な睡眠しかとれない人が該当します。自分はまだ30~40代で、若いから大丈夫と思う人たちが多いでしょうが、その年齢でも十分可能性はあります。むしろ外食中心の働く若い単身世帯に増えているので、油断をしてはいけません。

会社が従業員の健康を守る2つの意味

 悪い生活習慣は、ワークライフバランスが偏りすぎている場合が多く、改善には仕事と生活の均衡を正常に保つことが大切になります。また近年、長時間労働で血圧が上昇するとの研究結果が発表され、「仕事」と「健康」が直接関係するとわかってきました。個人の健康増進が国是でもあるなかで、会社が従業員の健康を守る社会的な要請が高まっているといって過言ではありません。これを第一の意味とすると、次の第二の意味はより現実的です。

 従業員の健康増進は、職場環境の改善と従業員満足向上になります。労働災害のリスクが低減し、医療費負担が減るうえに、生産性向上や業務の効率化、優秀な人材の確保につながり、会社の利益として戻ってきます。会社が社員の健康を考える動きは、「健康経営」という言葉で浸透しつつあります。2012年、日本政策投資銀行は、企業の健康経営を点数で評価し格付けする「健康経営格付」をスタートさせました。100以上の質問からなる健康経営の調査項目によりランク付けされ、ランクが高いと優遇金利を受けられる特典があります。いくつかの地銀でも導入する動きが出ており、今後さらなる関心の高まりが予想されます。

「損金」に計上できる従業員のスポーツクラブ費用

 健康経営格付の調査項目をみていくと、労働安全や長時間労働、メンタルヘルス対策がなされているか、といった文言が並んでいます。これらはおもに社内の仕組み作りで、各企業が事業の特徴に応じて決めていく部分です。それに加えて、健康増進キャンペーンなどのイベントを実施するなど、外部のサービスを利用すると相乗的な効果が得られるでしょう。

 もちろん、専門家に健康増進キャンペーンなどを依頼すると、それなりの費用がかかります。啓蒙活動になったとしても、机上の空論で終わってしまいそうで、二の足を踏む経営者が多いかもしれません。であるならば、いっそのこと健康への施策は、同時に税金対策になると考えてはいかがでしょうか。場合によりますが、従業員のスポーツクラブ費用は、損金に計上できるケースがあります。従業員の健康について、会計士や税理士に意見を聞いてみるのも、ひとつの方法です。

健康保険組合を最大限に利用する

 外部の健康増進策に頼ろうと思ったときに忘れがちなのが、加入している健康保険組合の制度です。業界によって、手厚い補助を行っている健保もあります。ここでは一例として、ディズニーランド格安プランなどで話題になった、関東ITソフトウェア健康保険組合をみてみます。同健保では、大手のコナミスポーツクラブなど、3社のスポーツクラブと提携し、低料金で使える仕組みがあります。そのほかにも、生活習慣病、メンタルヘルス、禁煙のための教育プログラムが用意され、家庭用常備薬の斡旋など個人の生活に近い部分の取り組みも行っています。

 これらは比較的大きい会社や業界の健康保険組合が実施していることが多いようです。しかし、結局は大企業の話だけかと悲観しないでください。中小企業が入る全国健康保険協会でも、スポーツジムの入会金無料サービスなどが受けられる地域がありますので、一度調べてみるといいでしょう。

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