2016.5.23 (Mon)

他人には聞けないICTの“いま”(第10回)

デジタルサイネージで“おもてなし”(前編)

posted by 大竹 利実

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 ネットワーク経由で液晶ディスプレイなどに案内や広告などを表示させ、デジタルで情報を発信していくシステム「デジタルサイネージ」。電子化された看板、あるいはポスターとも言えるこのデバイスは、インターネット回線の普及や液晶ディスプレイの低価格化などにより普及が進みつつあります。

あらゆる場所で普及しつつあるデジタルサイネージ

 駅や空港、ショッピングモールなどでデジタルサイネージを目にしたことが、一度はあると思います。それだけ私たちの身の回りにはデジタルサイネージがあふれてきているのです。交通機関や公共空間だけでなく、屋外や店頭、店内など、さまざまな場所で、ネットワークに接続された“電子広告”“電子看板”であるデジタルサイネージが利用されています。

 長い間、屋外などで案内情報や広告などを表示させようとした場合、紙や看板などに印刷あるいは書き込んで掲示するしかありませんでした。しかしこのようなアナログ的な手法では、情報を更新しようとすると掲示物を貼り替えるしかなく、手間がかかります。また、掲載期間を過ぎた掲示物を貼ったまま撤去し忘れることがあるなど、情報の更新が徹底されないこともありました。

 それに引き換えデジタルサイネージは、ネットワーク経由で案内や広告を配信するので、好きなタイミングで内容を表示・変更させることが可能です。また、もともとがデジタル情報ですので、1日中同じ内容を表示させておく必要がなく、特定の時間と場所を指定して異なる案内情報や広告を表示できるのもメリットとなっています。

 しかも紙や看板と異なり貼り替える手間は必要なくなりますので、リアルタイムで表示内容を変えていくことができ、「掲示物を撤去し忘れた!」といった事態も発生しなくなります。

デジタルサイネージは広告だけでなく、情報共有にも活用できる

 デジタルサイネージと聞くとまずは広告をイメージされると思いますが、活用方法はそれだけではありません。オフィスにおける情報共有にも利用することができます。

 たとえば、企業内では従業員への伝達事項が随時発生しますが、デジタルサイネージなら、伝達事項をリアルタイムで表示できます。しかも古い情報が残ることはありません。そのため特に、工場やスーパーなど、パソコンが一人1台体制になっていない事業所では、デジタルサイネージが情報共有の手段として有効になっています。

 また、社内におけるメールや、共有フォルダなどだけでは情報が行き届かないといったとき、念を押すためにデジタルサイネージで注意喚起することで、従業員の見落としリスクを減らすことができます。

 それだけでなく、オフィスに来社されたお客さまに対して、自社のお知らせやサービスの紹介をするといったことにデジタルサイネージを活用することもできます。

コストをかけずデジタルサイネージを利用できるように

 デジタルサイネージは、高額だというイメージが持たれがちです。案内情報や広告に莫大なコストはかけられない、と尻込みしている店舗や事業所もあるでしょう。しかし最近では、コストをかけずにデジタルサイネージを活用できるようになってきています。

 大型の液晶ディスプレイは低価格化していますし、インターネット回線も導入しやすくなりました。しかも、Wi-Fiネットワーク回線で接続すれば、デジタルサイネージの設置場所も自由になります。

 もちろん、液晶ディスプレイにデジタルサイネージを表示させるにはパソコンなどのデバイスが必要になります。しかし、スティック型パソコンやSTB(セットトップボックス)などのようなコンパクトなデバイスを活用することで、デジタルサイネージがより実現しやすくなります。デジタルサイネージに表示するコンテンツに関しても、パソコンでプレゼンテーション資料を作成できる程度のスキルがあれば表示させることが可能です。

 では、店舗や中小規模の事業所におけるデジタルサイネージの活用の仕方にはどのようなものがあるのでしょうか。また、デジタルサイネージを顧客サービスへとつなげていくにはどうしたら良いのでしょうか。後編では具体的なデジタルサイネージの活用方法や、課題とその解決方法について紹介していきます。

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大竹 利実

大竹 利実

20年以上のライター経験を持つITライター。某外資系大手IT企業で専属ライターの経験もあり。横丁、大衆酒場といった場所には目がない。

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