求められる自治体の生産性(第1回)

人手不足による人為ミス削減で情報流出を防げ

posted by 岩元 直久

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 「○○件の個人情報が人為ミスから漏えいした」。こうしたニュースを目や耳にするたびに、個人情報を取り扱う業務に携わる人はハラハラ・ドキドキすることでしょう。情報漏えいは、一般企業はもちろん、住民との信頼関係を基盤とする自治体でも大きなダメージになります。細心の注意を払い、担当者が真面目に働いていても、人為ミスはゼロにすることは難しいでしょう。今は人手不足の時代です。業務が増えてミスも起こりやすくなっています。情報漏えいのリスクを低下させる1つのアイデアとして、人手でまかなっていた事務作業などをITツールに任せ、人為ミスを極力減らす方法があります。

うっかりミスで個人情報が漏えい

 自治体では多くの業務で住民の個人情報を取り扱います。それだけに個人情報の保護に対しては厳格な決まりやガイドラインを設けて、セキュリティの確保に努めています。個人情報の漏えいというと、ハッカーがサーバーに侵入して盗み出すイメージが強いですが、実際にはうっかりミスなどが原因のケースも少なくありません。

 例えば、「コピー&ペースト」(コピペ)のミスにより、間違ったメールアドレスの宛先にメールを送信してしまったり、誤った業務処理によって住民の個人情報を自治体のウェブサイトに掲載してしまったという事例もあります。

 また、人手不足による業務の高負荷が遠因となっていることもあります。職員の減少や担当業務の複雑化・多様化といった要因も重なり、生身の人間が行う事務作業ではミスを完全に防ぐのは難しいのが現状です。

 情報漏えいを引き起こしたのが一般企業ならばその企業と取引を継続しない選択肢ができますが、住民にとって居住地の自治体に選択肢はありません。それだけに、情報漏えいにつながるようなミスには、住民の厳しい目が光っていると考えるべきです。

自治体も“ロボット”活用が可能に

 うっかりミスを防いだり、ミスにつながる業務の高負荷を解消するにはどうしたらいいでしょうか。人間が作業をしていると、どうしても繰り返しによる注意の低下や、一定の作業の連続からくる疲労がやってきます。“間違いなく”仕事をこなす1つの方法は、業務をITツールなどに肩代わりさせることです。また、ITツールの活用による業務効率化は、作業負荷の軽減にもつながります。

 しかし、これまでは特定の業務ソフトの中などでの自動化はできても、実際に職員が行っているような複数のソフトやアプリケーションをまたいで業務を自動化するITツールは一般的ではありませんでした。

 ところが近年、AIやコンピューターを活用して、複数のソフトやアプリケーションをまたいだ定型業務も自動化できるようになりました。人間の作業を肩代わりするソフトウエア的なロボット「RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)」の利用が広まってきています。例えば、Excelなどのスプレッドシートから必要な条件に従って情報を抜き出し、ウェブサイトの送信フォームに転記して該当者にメール配信するといった作業を、人手に代わって行ってくれます。

 RPAに代表される自動化ソリューションを自治体で導入すれば、人為的なミスを削減するという効果も大きく期待できます。コンピューターによる自動処理ならば、人間にありがちな凡ミスや疲労からくる間違いを犯したりすることはありません。人為ミスから情報漏えいにつながる致命的な事態を防ぐだけでなく、ミスを防ぐための緊張感を職員に強いる必要がなくなります。

 もちろん、業務効率化にも役立ちます。同じ作業をするなら人間よりロボットの方が早いですし、ロボットに煩雑で定形的な業務の一部を任せられれば、さらなる住民サービスの向上へと注力できるでしょう。さらに、時短にもつなげることができ、労働環境を改善するのにも効果的といえます。

 こしたAIやコンピューターを活用した自動化ソリューションは、以前よりも手軽に導入できるようになってきています。自治体にはAIなんて関係ない――。そう思い込まずに、コンピューターの力を上手に活用する手立てを考えていきたいものです。

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岩元 直久

岩元 直久

日経BP社でIT、ネットワーク、パソコンなどの分野の雑誌、ウェブ媒体の記者、デスクを歴任。モバイル分野については、黎明期から取材・執筆を続けている。フリーランスとして独立後は、モバイル、ネットワークなどITを中心に取材・執筆を行う。

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