2017.2.20 (Mon)
ICT資産の運用管理 次の一手
運用管理の「もう限界!」を突破する、持たざるICTとは
posted by 坂本 ロクタク
増加するICT資産。管理しきれていますか?
ICTが欠かせなくなった現代の企業では、事業が大きくなるにつれて、ICT資産も増加していきます。資産とはいえサーバーが増加すれば、物理的な場所や機器・電源設備などに加え、管理する稼働も、そしてリスクも増加します。資産が増えたと単純に喜ぶわけにはいきません。
たとえば重要なデータを扱うサーバーは、万一の際にも安全であることが求められ、セキュリティ上の管理も必要です。そういった管理こそ、情報システム部門の役割として期待したいところではありますが、大地震や火災など、対策や復旧に高度なスキルが必要になると、社内の担当部門だけではなかなか太刀打ちできないかもしれません。
そして現実の情報システム部門は、冒頭のまんがのように、各部門から日々寄せられるサーバー増設の要請と運用中のサーバーのリプレイスなどに追われ、長い将来を見据えたICT環境の整備といった話まではなかなか手が届かないことも。
企業としてより安心・安全にデータやシステムを管理するために、そして情報システム部門のパフォーマンスをより発揮させるためにも、ICT資産の管理方法を見直すことをおすすめします。
技術と品質もおまかせのメンテナンスも含めたアウトソーシング
たとえば、サーバーの運用管理の負担軽減を求めるのであれば、専門性と信頼性が高いデータセンターの活用という方法があります。設備や容量の増減に柔軟な対応が必要であれば、クラウドサービスの利用も視野に入れるとよいでしょう。いわばICT資産のアウトソーシングです。
社内に営々と築き上げてきた環境を使わず、外部のリソースに置き換えることには抵抗もあるかもしれません。ただ、さきほど挙げたような安全上の課題を考えると、社内での運用管理にはリスクも多く、社内でICT資産が増えるのに伴ってリスクも増えてしまうという一面もあります。情報セキュリティ対策や物理的な環境作りを考えると、思い切って運用管理の方法を切り替える決断が必要かもしれません。
設備や容量の増減が柔軟なクラウドサービスを利用すれば、新設分やリプレイス分から徐々に置き換えていくこともできます。ただ、クラウドサービスならなんでもよい、というわけではありません。選ぶ際のポイントになるのは、信頼できるサービスであるかどうか。しっかりした管理・保守体制があるかどうかに注目しましょう。
サーバーが堅牢な環境におかれていることはもちろんですが、故障など万一の場合でも、専門スタッフがすばやい対応を行う体制があれば、企業が利用するサービスとしても安心度が高くなります。アウトソーシングする価値も十分高いといえるでしょう。
ICT資産の運用管理もアウトソーシングで「持たざる経営」を強化
クラウドサービスの特長は、必要に応じてサーバーの増減が容易にできること。無駄な設備を持たずにすむので、「持たざる経営」にも大いに役立ちます。社内のICT資産をクラウドサービスに移行していけば、いずれは支社や支店のデータを一元的に管理することも可能になり、手間やコストの面でさらなる効率化も期待できます。
日々の運用管理の負担から情報システム部門を解放できれば、企業にも新しいチャンスが生まれます。たとえば、利便性を考えた戦略的なICT環境の検討も情報システム部門に期待される役割のひとつですが、アウトソーシングで効率化が進められれば、情報システム部門を中心に、10年先、20年先を見据えた、次世代の情報システムへのアプローチも進められるかもしれません。
ICT環境のアウトソーシングは、情報システム部門だけでなく、企業全体にメリットを生む可能性があるのです。
NTT東日本では、基幹ネットワークから業務システムの保守・運用・管理までサポートいたします。

坂本 ロクタク
1981年生まれ。京都出身。イラストレーター。大阪で服柄の仕事を中心に活動し、2005年に上京。その後、雑誌のイラストや看板・マンガ・広告等、さまざまな分野で活躍。現在は東京デザイナー学院の講師も務めており、生徒たちに絵の指導をしながら、自身の活動の幅も広げている。作品寄稿に『時代を切り開いた世界の10人 安藤百福レジェンド・ストーリー』(学研プラス)、『家庭でマスター! 中学生のスマホ免許』(誠文堂新光社)などがある。