2017.1.12 (Thu)

将軍様のお気に入り~全国の逸品をたどる(第3回)

ルーツは1000年前!駅弁でおなじみの富山「ます寿司」

posted by かみゆ歴史編集部

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 江戸時代、各藩から将軍や朝廷に差し出された献上品。地元の特産から選りすぐったその品々は、藩にとって自慢の逸品でした。この連載では、そんな逸品の中から今に伝わる「将軍様のお気に入り」を、当時のエピソードとともに紹介していきます。

 今回ご紹介するのは、駅弁でもお馴染み、富山県の「ます寿司」です。

人気の駅弁・ます寿司のルーツは1000年前

 行きの電車の腹ごしらえに、帰りの電車のご褒美に。出張の楽しみといえば「駅弁」という人も少なくないのではないでしょうか。

 今回ご紹介する富山県の「ます寿司」は、そんな駅弁の定番ともいえる商品。丸い容器に入った寿司をケーキのように切り分けて食べるのが特徴的で、蓋を開けると食欲を誘う酢の香りがほのかに漂います。寿司を包む深緑色の笹の葉をめくるたび、桜色のますが姿をあらわし、そのコントラストが目にも鮮やか。脂がのったますの甘味と酢の酸味が絶妙で、あっという間に平らげてしまうという人もいるかもしれません。

 ます寿司のルーツは古く、1000年以上も前に遡ります。それを示すのが、平安時代の中期に編纂された律令制度の法令集『延喜式』です。ここには諸国から朝廷への献上品をまとめた項目があり、越中、つまり富山からは「鮭鮨(さけずし)」が献上されたと記されています。この鮭鮨が、ます寿司の元となったといわれています。

 さけもますも、富山県を流れる神通川で獲れる魚。さけとますには明確な区分がなく、見た目も似ているため、この鮭鮨にはますも使われていたのではないかという説もあります。また、鮨といっても当時は酢が一般的ではなく、「なれずし」という米と魚と塩を長時間かけて乳酸発酵させたものでしたが、長期保存ができるように加工した魚を米と一つにして食べるという、その原型はみてとることができます。

 脂ののった魚が獲れる神通川と、流域に広がる豊かな水田という環境が生み出した食文化だと言えるでしょう。

吉宗が絶賛し、代々の献上品に

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