2016.12.21 (Wed)

将軍様のお気に入り~全国の逸品をたどる(第2回)

雪深い会津の冬を彩る「絵ろうそく」

posted by かみゆ歴史編集部

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 江戸時代、各藩から将軍や朝廷に差し出された献上品。地元の特産から選りすぐったその品々は、藩にとって自慢の逸品でした。この連載では、そんな逸品の中から今に伝わる「将軍様のお気に入り」を、当時のエピソードとともに紹介していきます。

 第2回は、福島県の会津地方に伝わる伝統工芸品「絵ろうそく」です。

高級品だった会津地方のろうそく

 年末に近づき、日に日に寒さが増してくるこの頃。今回紹介する「絵ろうそく」は、一説によればそんな寒さの厳しい会津地方が発祥といわれています。

 北国の雪のような白いろうそくに、菊や牡丹など色鮮やかな花の絵を描いた絵ろうそく。火をつけるのがもったいなくなるようなこの工芸品は、当時は大変な高級品で、主に将軍家や宮廷への献上品として、あるいは寺社への奉納品として使用されていました。

 もともと会津をはじめとする東北地方では、ろうそくの生産が盛んでした。ろうそくの原料となるのは、樹液が漆器にも使われる漆(うるし)の実。つまり、1本の漆の木からろうそくと会津漆器という二つの工芸品が生み出されていたのです。藩の財源となる工芸品を支えるため、会津藩は蝋を年貢として徴収する政策をとるなど、大いに力を入れてきました。

 史料によれば、この地方でろうそくに関する記述がはじめてみられるのは今から500年以上ほど前のこと。時の領主・蘆名盛信が漆の木の栽培を奨励したことにはじまり、蒲生氏郷や保科正之ら歴代の藩主の努力により、産業として確立していきました。会津藩が19世紀初頭に編纂した地誌『新編会津風土記』には、1576年にこの地方を領国としていた戦国大名・蘆名盛隆が、織田信長にろうそく1,000本を贈ったことが記されています。

「南天福寿」の絵ろうそくに込められた祈り

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