2017.5.30 (Tue)

子供たちが熱狂! 懐かしのヒット商品の裏側(第8回)

100年以上も売れ続ける「人生ゲーム」の面白さ

posted by 味志 和彦

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 1968年にタカラ(現、タカラトミー)から発売された「人生ゲーム」は、現在までに累計1,000万個を突破し、“誰でも一度は遊んだことのある”と言っても過言ではないほど、ポピュラーなボードゲームとして知られています。

 人生ゲームはもともと「The Checkered Game of Life」という名で、アメリカで1860年に誕生しました。つまり、日本に輸入される100年以上も前に生まれたことになります。なぜ19世紀のゲームが、21世紀の今も販売され続けるヒット商品となったのでしょうか。その魅力に迫ります。

もともとは宗教的なゲームだった

 人生ゲームを考案したのは、アメリカ・マサチューセッツ州の印刷業者であるミルトン・ブラッドリー。当時24歳だったブラッドリーは、大統領の肖像画を販売していましたが、売れ行き不振のため、別のビジネスを考案します。そこで彼が思いついたのが、双六型のボードゲームでした。

 チェス盤を利用して作られたそのゲームは、「人生のシミュレーションができる」という、これまでの双六とは異なるコンセプトを持っていました。単に「早くゴールにたどり着いた人が勝ち」ではなく、盤面の指示に従って人生を疑似体験し、ゲーム中に得られるポイントの数を競うというものです。

 とりわけユニークだったのは、コンセプトの核に「聖書の教え」を据えたことです。双六のマス目を「善」と「悪」のマスに分け、善のマスに停まることで、ポイントが加算される仕組みとしました。これはブラッドリーが熱心なクリスチャンであったことが理由とされます。

 この人生ゲームは人々の心をつかみ、当時としては高めの値段設定だったにも関わらず大ヒットしました。ブラッドリーは自ら会社を立ち上げ、人生ゲームをビジネスの軸とします。

 その後、モデルチェンジされるに従い、ゲーム内から宗教色は排除されていきますが、逆に「数」で勝敗を決めるというコンセプトは発展していきました。やがて勝敗を分ける軸は、ポイントではなく「お金」へと変わっていきます。

 ゲーム中のイベントも、職業を選択する、給料をもらう、生命保険に入る、株で投資を行う……といった、お金に関するものが多く盛り込まれました。巨大な資本主義国であるアメリカの価値観を反映したような、お金による「勝ち組/負け組」がはっきり分かれるゲームとなりました。

アメリカ発なのに、なぜゲーム中に「お歳暮」があるのか

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味志 和彦

味志 和彦

佐賀県生まれ。産業技術の研究者を経て雑誌記者など。現在コラムニスト、シナリオライター。

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