「3年で辞めてしまう新卒社員が3割いる」状況は、この30年間変わっていません。現代の若者たちが3年で企業に見切りをつける主な理由は、「キャリア成長が望めないこと」「拘束時間・企業の方針・社風など企業の内実が採用選考で学生に伝わっていないこと」「適性のない配属」などです。ここではこれらの問題点を掘り下げ、新卒社員側と企業側の意識のズレについて説明します。
「3年で辞めてしまう」の割合は30年変化なし
厚生労働省発表の「新規学卒者の離職状況」によると、大卒の新卒社員で入社後3年以内に最初の会社を辞める人は全体の3割とのことです。実は、この数字は新卒社員にとって売り手市場といわれた1980年代のバブル時代から30年間変わっていません。1987年をピークに、新卒3年目までの離職率は25~35%の範囲に収まっています。
厚生労働省発表の「新規大学卒業就職者の事業所規模別離職状況」によれば、採用人数が5人未満の企業では3年以内の離職率は約6割、5~29人の企業は約5割、100~499人の企業は約3割といった数字が出ています。このように、企業の規模が大きくなるほど新卒社員の早期退職の割合は少なくなっていくのですが1,000人以上の規模の企業でも、2割は3年以内に辞めてしまうのです。
新卒社員が挙げる退職理由のトップは
連載記事一覧
- 第1回 ソフトバンク副社長の退任から考える、後継者問題2016.8.26 (Fri)
- 第2回 「内定辞退」を出さないために企業がすべきこと2016.9.8 (Thu)
- 第3回 部下に好かれる上司は無能?シビアな内容の本に学ぶ2016.10.6 (Thu)
- 第4回 副業、在宅勤務OK。多様な働き方が企業に与える効果2016.10.20 (Thu)
- 第5回 現場で優秀だった人こそ危ない、ダメな管理職の特徴2016.11.2 (Wed)
- 第6回 部下の心を開くちょっとしたコミュニケーション技術2016.11.14 (Mon)
- 第7回 日産と日立の例に学ぶ、新たなリーダーの育成法2016.11.24 (Thu)
- 第8回 管理職は社員の勤怠と体調を管理できているか2016.12.15 (Thu)
- 第9回 現代に求められる上司像「サーバントリーダー」とは2016.12.22 (Thu)
- 第10回 人気ドラマ「逃げ恥」に学ぶ部下のやる気を引き出す方法2017.1.10 (Tue)
- 第11回 社員が「コスト削減」に意欲的に取り組む4つの方法2017.1.11 (Wed)
- 第12回 上司のこんな言動が、部下を精神的に追い込む2017.1.23 (Mon)
- 第13回 部下に対する「ちょっとした質問」が成長を促す2017.1.26 (Thu)
- 第14回 クレームは対応次第でチャンスになる2017.2.16 (Thu)
- 第15回 中小企業の採用活動を助けるユースエール制度とは?2017.2.28 (Tue)
- 第16回 「キーマン不在で仕事が回らない」を防ぐために2017.4.25 (Tue)
- 第17回 カルビーがテレワークを「毎日OK」とした理由2017.4.26 (Wed)
- 第18回 仕事の効率を上げるオフィスカジュアルのすすめ2017.6.26 (Mon)
- 第19回 借金で会社経営が安定!?資金調達は計画的に(前編)2017.7.12 (Wed)
- 第20回 借金で会社経営が安定!?資金調達は計画的に(後編)2017.7.18 (Tue)
- 第21回 「乾けない世代」30代以下の価値観が企業を変える2017.12.7 (Thu)
- 第22回 職場の育児・介護意識を変える「両立支援助成金」2017.12.21 (Thu)
- 第23回 なぜ多くの新卒社員は3年で退職してしまうのか?2018.1.17 (Wed)