理想的な会社の在り方とは(第19回)

借金で会社経営が安定!?資金調達は計画的に(前編)

posted by 阿部 正仁

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 無借金を理想としている経営者は多いのでないでしょうか。しかしある程度の規模の企業であれば、自己資金だけで日々の経営や事業拡大を進めることは容易ではありません。それゆえに、企業経営には借金という資金調達法が切っても切り離せない存在となっています。

 借金による資金調達は、借入先を間違えなければ安定した経営が可能となります。その借入先が「銀行」です。銀行からの借金が、ほかの資金調達法とは異なり経営を安定させるのには理由があります。

返済の必要なし!「出資」のデメリットとは

 借金による資金調達は「融資」と呼ばれます。融資は元金に加え、利子を返済する義務があります。融資による資金で会社経営を行なった場合は、元金と利子を合わせた以上の売上金をあげないと利益がありません。この利子というハードルが、経営者に融資を躊躇させる一因でもあるのです。

 融資以外の資金調達法としては「出資」と「信用取引」があります。この2つにもメリットとデメリットが存在します。

 出資とは、会社の設立や資本金の増資などをする場合に行われる資金調達方法です。出資のメリットは返済する義務がない点に尽きます。

 返済の義務はありませんが、出資者には株式が発行され、会社の所有者である株主になります。これは「会社法」という法令で定められたものです。株主には利益配当請求権と、株主総会において議決権を行使する権利が与えられます。株主の権限はさまざまですが、議決権の行使は社長を含む取締役の人事権という強力なものです。

 たとえば資本金500万円のA社が、新たにB社から1,500万円の出資を受けたとします。出資後の資本金は2,000万円となり、B社のA社に対する出資比率は75%を占めることになります。

 株主総会では出席株主の3分の2以上の賛成票により議題が決議されると定められています。つまり出資比率が66%を超えると、株主総会を掌握されることになるため、B社の意見を聞き入れない取締役の解任が可能になります。

 2000年に、日本とアメリカで同時上場した、電子メールやウェブサイトのサーバーの管理・運用代行サービスを行なっていたクレイフィッシュは、業績不振から株主と取締役が対立しました。大株主である光通信は経営が混乱した責任を創業社長に追求し、引責辞任させます。クレイフィッシュはその後、社名をe-まちタウンに変更。2012年に上場廃止となり、2013年には光通信の完全子会社となりました。

 このように出資のデメリットは、経営者より強い権力を持つ株主が誕生する可能性があることです。

やりくり上手の「信用取引」で資金調達を

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阿部 正仁

阿部 正仁

会計事務所で約10年間の勤務により調査能力を身に付けた結果、企業分析の能力では高い定評を得、法人から直接調査を依頼される実績も持つ。単に税金のハウツーだけにとどまらず、教科書に書かれない制度の考え方を誰にでも分かりやすく伝えることを身上とする。コーチングスキルを活かした取材力で、メディアでは語られない発言を引き出すのが得意。

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