元気な企業はどこが違う?成功企業の戦略とは(第58回)

スカイマークがたった数年で経営破綻した3つの理由

posted by 山田 尚明

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 航空会社のスカイマークは、2015年3月期に113億円の赤字を出して経営破綻したものの、わずか1年後には15億円の黒字に転換し、V字回復を果たしました。

 2013年の円安ドル高、燃料費の高騰などの影響で、業績が下降。対策として新しい航空機のリースをキャンセルしますが、逆に高額な違約金を請求されてしまいます。その影響で経営破綻し、民事再生適用となりました。その後に経営陣が交代。不採算路線からの撤退や搭乗率の向上といった施策により、1年という短期間で回復します。たった数年の経営破綻、そしてわずか1年でのV字回復には、それぞれ3つの要因がありました。

経営破綻の3要因は「無謀な投資」「無借金」「アベノミクス」

 1996年に創立したスカイマークは、日本におけるLCC(格安航空会社)の草分け的存在で、1986年から始まった航空輸送業における規制緩和政策による新規参入企業でした。機内サービスを簡素化するなど各種施策により、運賃を大手航空会社の半額以下に抑えたこともあり、同社の平均搭乗率は一時期80%を超えていました。2000年には東証マザーズ、2013年には東証一部に上場します。

 しかし大手航空会社も早期予約による割引運賃の導入や、新規参入航空会社が出現したことにより、スカイマークを取り巻く国内航空業界は競争が激化します。

 そのような状況でスカイマークは、国際線への本格進出を目指します。2011年には世界最大の旅客機エアバスA380を6機発注しました。日本の航空会社では、はじめてのA380導入ということからニュースにもなりました。しかし、A380の値段は1機あたり300億円以上で、合計すると1,800億円を超える投資となります。さらに、国内線には中型旅客機A330も導入。スカイマークの2011年度の売上は600億円であったことから、身の丈を超える投資だったといえるでしょう。

 このような巨額な投資を進めている中、2012年12月に安倍政権が発足。アベノミクスにより円安ドル高政策が打たれます。ドル建てだった機材のリース料や、以前から高騰を続けていた燃料費などの経費がかさみ、2014年には業績が赤字になります。対策として、納入前だったA380については2機を購入延期、4機のキャンセルをエアバス社に申し入れました。

 しかしエアバス社は、スカイマークから前払金の約265億円を没収したうえで、700億円以上の違約金を請求します。A330のリース料金に、A380の違約金も加わり、スカイマークのは営業未払金が発生するまでに経営状態が悪化します。

 これまでスカイマークは無借金経営を行ってきましたが、これも仇となりました。一般的に経営状況が悪化したときには、まずは貸付金のあるメインバンクが、新たな融資などで資金注入することにより再建を助けることがあります。しかしスカイマークは、貸付金のあるメインバンクが存在しませんでした。そのため、助けの手を差し伸べる銀行がいなかったのです。

 2014年末になるとスカイマークは従業員給与などの運転資金を賄うことすら難しくなり、2015年1月に民事再生手続開始申立を行い、3月には東証一部上場も廃止となりました。そして、当時の社長であった西久保氏は退任します。

V字回復の3要因は「機材統一」「路線絞り込み」「サービス向上」

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山田 尚明

山田 尚明

大学院卒業後、メーカの営業企画部署にて5年半、カタログ・Web制作や展示会の運営などのプロモーションに携わる。その後IT企業にて1年半インターネット広告の運用を担当。現在はフリーランスとしてIT、ビジネス、健康、金融、ニュースなどさまざまなジャンルの記事を執筆するとともに、Webサイトの制作やコンテンツマーケティング、インターネット広告の運用などの業務を行う。

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