2017.12.8 (Fri)

元気な企業はどこが違う?成功企業の戦略とは(第46回)

離島、後継者無し…なぜ苦境の民宿は再興できたのか

posted by 大福 汁粉/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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 家族経営による「民宿」は、地域経済の衰退や、競合の増加、後継者不足などによって経営不振や廃業という苦境に立たされています。しかし、日本海に浮かぶ隠岐諸島の島根県海士町(あまちょう)は、島ぐるみで民宿を支援することにより、大入り宿へと変貌させました。海士町はどのような取り組みで客足を取り戻したのでしょうか。

地方の民宿に吹き付ける3つの「逆風」

 厚生労働省が毎年取りまとめている「衛生行政報告例」によると、2016年の旅館業は、民宿や旅館などの旅館営業の施設数が3万9,489件で、前年度比マイナス2.9%となっています。さらに旅館営業の施設は、平成元年の1989年には8万件近く営業していたのが、平成の間で半数近くまで減少してしまったそうです。逆にホテル営業は2016年度に初めて1万件を突破し、ゲストハウスなどの簡易宿泊営業も2万9,000件を超え、両者は年々増加しています。このように旅館業においては、旅館営業のみが衰退を辿っています。

 旅館営業の中でも特に地方の民宿が衰退し、苦境に立たされています。その衰退に拍車をかけているのは、地域経済の衰退、競合の増加、そして後継者不足という3つの点です。

 1つ目の地域経済の衰退の原因は、現在の地方では人口の減少と高齢化が並行に進んでいます。それによって働き手が不足し、地域経済の主力であった産業が弱体化して、経済規模が縮小しているとされています。観光が主力産業の1つである地域の民宿は、その影響を被りやすいのです。

 2つ目の逆風が、ホテルやゲストハウスといった競合の増加です。リゾートなどの観光目的ならば、清潔感や食事などといったサービス面で、一定レベル以上が期待できるホテルというように宿泊客の嗜好が変化しました。さらにゲストハウスなどのルームキーなしで大部屋、相部屋などの条件で宿泊をさせる「簡易宿所」では、スタッフが友人感覚で接する、外国人観光客に対応するといった新規参入が増加。これら競合が民宿離れを加速させる一因となっています。

 3つ目が、後継者不足という深刻な問題です。厚生労働省のデータによると、ホテルや簡易宿所も含む旅館業全体の半数以上の経営者は60歳以上となっています。さらに60~69歳の4割近く、70歳以上の3割近くは「後継者なし」と回答しています。これは旅館や民宿のみのデータではありませんが、民宿の多くは家族経営のため親子間での継承が多いです。しかし子の世代は、地域経済の衰退から地方を離れる、他業種に就くなどしています。そのため後継者が確保できないのです。

 これらの理由により、民宿は年々数を減らしています。そんな状況において、島根県海士町はどのような取り組みを行っているのでしょうか。

離島の特色を活かした地方創生で民宿も

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大福 汁粉/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

大福 汁粉/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

塾講師、マーケ系情報コンサル等を経てフリーライターへ。企業のオウンドメディア、英語学習サイト、ニュースサイトを中心に執筆している。

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