2017.7.13 (Thu)

元気な企業はどこが違う?成功企業の戦略とは(第32回)

ニトリの「お、ねだん以上。」は常識の破壊だった

posted by 村上 哲也

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 ニトリは、「お、ねだん以上。」のキャッチフレーズを掲げ、家具・インテリア業界で原料仕入、製造、流通、小売までを一貫で行うことによって低価格を実現。33期連続の増収増益を記録し、今では海外に店舗を展開するまでの企業に成長しています。

 ニトリのような低価格を実現して市場シェアの拡大を図る販売戦略を、コスト・リーダーシップ戦略と呼びます。アメリカの経営学者であるマイケル・ポーターが提唱したものです。しかし安易に価格を下げると利益を圧迫するため、市場シェアと売上が高い企業でないと実践は難しいともポーターは述べています。

 しかしニトリは、市場シェアを伸ばす前からコスト・リーダーシップ戦略を実践してきた企業だったのです。

コスト・リーダーシップ戦略の前提とは

 コスト・リーダーシップ戦略では、市場に製品を投入する際にかかるコストは企業間で差がないことが前提です。コストは人件費や減価償却などの固定費と、原材料費や販売手数料などの変動費に分けられます。売上に比例して増減するものが変動費、売上に関わらずかかる費用が固定費と分類しています。

 企業間でコストが同じならば、市場シェアの高い企業のほうが1商品あたりのコストを削減できます。また多く生産することでノウハウが蓄積され、効率化も期待できます。つまり売上が増えれば固定費の割合は下がり、ライバルより値下げを行っても利益を確保できるという理論が、コスト・リーダーシップ戦略なのです。

 その中でもニトリが市場シェアの低い時代からコスト・リーダーシップ戦略を可能としたのは、コストに差がないという前提を覆したからでした。

 ニトリは、商品の企画、原材料の仕入れ、生産体制、輸入、販売、商品搬送まで自社で手掛けています。もちろん、物流センターや配送拠点も自社で保有。サプライチェーンの全てを自社で握り、人件費や減価償却などの固定費から、仕入の直接買い付けなど変動費までの削減を行うことにより、競合よりもコストを下げました。

 ニトリが実践している製造から小売までを、1つの企業が一貫して行うことは、家具・インテリア用品の世界では稀でした。これによりニトリはライバル以上の低価格と利益率を確保し、コスト・リーダーシップ戦略で市場シェアを伸ばしてきたのです。

「コスト削減」の常識を打ち破るには

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村上 哲也

村上 哲也

コンサルタント兼ライター。ゼロベースでのコンサルタントには定評があり、担当する顧客とは「戦略」から始め「戦術」まで実行させる本格派。2013年より本業の合間にライター業務も行っており、コンサルタント関係に留まらない幅広い記事の記載を行っている。
http://midorinooka2014.wix.com/business-consulta-jp

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