2017.5.12 (Fri)

元気な企業はどこが違う?成功企業の戦略とは(第27回)

経営危機のダイヤ精機がV字回復に至った3つの改革

posted by 山田雄一朗

このエントリーをはてなブックマークに追加
Evernoteに保存
印刷

 機械の組立作業などに使われる特殊な工具を製造・販売している、ダイヤ精機。ミクロン単位の精度が必要とされるその工具は、国内でも限られた企業しか製造できないため、中小企業にも関わらず自動車メーカーなど大手企業を中心に取引実績を築き上げてきました。

 そんなダイヤ精機も、1993年のバブル崩壊により売上高の右肩下がりが続きます。さらに2004年には創業者が急逝するなど、未曽有の危機に直面しました。その中で2代目社長として就任したのが、創業者の実娘である諏訪貴子氏です。当時32歳、しかも経営者としての経験がほとんどない諏訪氏は、どのようにしてダイヤ精機を立て直したのでしょうか。

ダイヤ精機を立て直すための3年計画

 当時は女性社長が珍しかった時代、さらに経営経験も浅かった諏訪氏に対する風当たりは強く、メインバンクからは他社との合併も勧められたほど。その中で諏訪氏は、当面の資金難を解決すべく、リストラを敢行します。長年勤めていた幹部社員からは強い反発を受けました。しかし諏訪氏は、経営者としての試練と考え強行したのです。結果的に月200万円ほどの人件費を削減し、当面の経営難を回避することに成功。さらに経営の長期安定化を図るべく、「3年の改革」と題した改革に取り組みます。

 まず最初の年は「意識改革の年」とし、社員教育に注力しました。これまでOJTによる教育が中心だったダイヤ精機に座学研修を取り入れたのです。挨拶の仕方といった初歩的なことから、製造業の基本となる5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)などを、諏訪氏みずから指導。当初、社員は半信半疑で5Sに取り組んでいたものの、実際に作業効率の向上が見えてくると、次第に社長の言葉へ耳を傾けるようになりました。また、若手社員を集めて会社の悪口を発言させる「悪口会議」も実施。諏訪氏は悪口会議で浮かび上がったダイヤ精機の問題点を真摯に受け止め、対応したのです。これらの実施により、社員全員に「自分たちがダイヤ精機を変えていく」という意識が芽生えました。

新しいことへ取り組むことの大切さ

このエントリーをはてなブックマークに追加
Evernoteに保存
印刷

連載記事一覧

山田雄一朗

山田雄一朗

筑波大学大学院で経営工学の修士号を取得した後、IT企業で営業として5年の職歴を経験。リサーチ力を強みとしたライターとして活動中。

メルマガ登録


スペシャルインタビュー


成功企業の戦略


離島の廃校で学ぶ酒造りとまちづくり

ページトップへ