2017.3.17 (Fri)

元気な企業はどこが違う?成功企業の戦略とは(第24回)

しまむらのV字回復を支えた「高価格で良いもの」

posted by なかむら いちろう/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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 あえて高価格な製品を投入することで、急速に売上げを伸ばしている企業があります。衣料品チェーンストアを展開している、株式会社しまむらです。

 しまむらは2014年度と2015年度において、上場以来、初めて2期連続で減益に落ち込むという経験をしましたが、2016年度は営業増益に転じ、2017年度は過去最高益を見込んでいます。ここでは、しまむらが業績を大きく好転させることになった変革の内容と、その背景について、探ってみましょう。

低価格路線の失敗から高価格商品の投入へ

 しまむらは郊外を中心に店舗を展開し、「多種類・低価格」を自社の戦略として成長を遂げ、「デフレの勝ち組」とも称されるほどでした。消費税の増税後も値上げをしない、という戦略も話題になりました。

 しかし、そのような戦略に限界が訪れることになりました。多種類・低価格を進めた結果、抱える商品の種類が増加、それに伴い不良在庫が多く発生し、値下げ価格で販売したことにより、業績が大きく下がったのです。この結果、2014年2月期と2015年2月期に2期連続減益という、上場して以来、初めての事態に直面することになりました。

 この事態をうけ、代表取締役の野中正人氏は「品揃え」と「商品開発」について大胆な変革を実施します。

 まず「品揃え」については、「多種類・低価格」路線は時代遅れとして、多種類から訴求力の高い商品に絞り込む方向に戦略をシフトさせました。そして、訴求力のあるしまむらオリジナル商品の開発に力を入れました。

 ここで開発に至ったのが、“重ね履きしなくても暖かい”を売りにした、裏起毛のデニムパンツ「裏地あったかパンツ」です。

 裏地あったかパンツで最も注目すべき点は、その価格設定です。3,900円という価格がつけられたのですが、それまで同社が販売していたパンツの価格が、その約半分である2,000円前後であったことから、販売現場からは「高すぎる」との声が上がっていたといいます。

 現場の声に対し、野中氏は「機能と着心地にこだわってつくった商品」だから3,900円という価格でも売れると主張。その結果、高価格であるにもかかわらず、機能と着心地という「品質」に対する野中氏のこだわりが、消費者に支持されました。

 結果、2015年に準備した110万本の裏地あったかパンツは、9割以上の商品が値下げ無しで販売されました。カジュアル衣料としては、まれに見る大ヒット商品となり、同社にV字回復をもたらす主力商品となりました。

V字回復の背景に「余裕あるものづくり」

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