2016.10.31 (Mon)

もっと税金を知ろう!(第5回)

社長が会社にお金を貸すときの思わぬ落とし穴

posted by 町井 徹

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 「資金繰りが厳しいので、忘年会費は社長が立て替える」「今月の支払いは社長のポケットマネーで」

 一部の企業では、このように社長が会社にお金を「貸す」ことが珍しくないかもしれません。しかし、それを繰り返して、長年にわたり放置するのはたいへん危険です。多額の税金や思わぬ不利益につながります。

 今回は、「社長が会社にお金を貸すとき」におちいりやすい盲点を解説していきます。

社長が会社に貸したお金に課税される!?

 会社のお金が足りないときに、社長が個人資産を運転資金に充てると、会計上は「会社が事業主から資金を借り入れた」と処理します。帳簿に記載する勘定科目は「借入金」で、資産ではなく負債にあたるため、課税対象ではありません。

 社長はもしかすると、いずれ業績が回復したら、会社からお金を返してもらおうと考えているかもしれませんが、実際のところ、会社に貸したお金は、なかなか返ってきません。経営を上向かせるのが至難なうえに、仮に経営が安定して資金繰りに困らなくなっても、余剰資金はなにかあったときの備えや、新しい設備投資に回したくなるかもしれません。

 実はここに税法上の落とし穴が潜んでいます。社長からの借入金が常態化・長期化し、お金を返していないと、借り入れたお金が実質的な「贈与」と見なされる場合があります。贈与は会計上、収入にあたるので課税対象です。これまで蓄積された社長のポケットマネーのすべてに税金がかかったら……考えただけでも恐ろしい話です。

銀行からの評価が下がる!?

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町井 徹

町井 徹
【記事監修】

公認会計士、税理士。税理士法人はやぶさ会計代表社員、株式会社はやぶさコンサルティング取締役副社長、はやぶさ監査法人代表社員。一橋大学社会学部卒業後、三井信託銀行株式会社(現中央三井信託銀行)入社し、事業会社融資業務に従事。その後、監査法人などを経て、株式会社PAS(現はやぶさコンサルティング)設立に参画し、国内金融機関・上場会社への会計・税務等アドバイザリー業務などに従事する。

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