2016.8.3 (Wed)

もっと税金を知ろう!(第3回)

税務調査の傾向と対策を知っておこう!

posted by 納見 哲三

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 日ごろから明朗な経理を心掛けている、いかに清廉潔白な経営者でも人間である限り、魔の差す瞬間はあるもの。会社経営者の場合は、自分の財布と会社の財布の境界があやふやになりやすいので、誘惑も多いことでしょう。

 しかし、税務調査官は、所得と資産状況を補足するプロフェッショナルであることを忘れてはいけません。帳簿やパソコンの中はもちろん、家の外装にいたるまで、あらゆる箇所に目を光らせ、不正を白日のもとにさらします。ここで紹介する税務調査の統計資料や調査官の仕事を見て、より一層気を引き締めていきましょう。

税務署の事務年度は7月から

 日本は申告納税制度をとっており、事業者が自分で税金を申告し、税額を確定させて納付します。適正な申告をしているかは税務署がチェックし、内容に疑問点があれば調査を行います。これが税務調査といわれるもので、例年7月ごろから始まります。計算ミスや勘違いで、申告額が少ない場合は追加の課税処分があり、悪質な所得隠しが露見すると脱税として刑事罰が問われます。

 税務署・税務調査官の仕事は、いってみれば不正を見付けること。数え切れないほどの案件をとおして蓄積された知見から、事業規模や業種に応じたおおまかな所得額、資産の構成と運用方法、事業主の行動パターンを熟知しています。年間に税務調査を行う件数にノルマがあり、調査を行うからには結果的に問題がなかったという空振りをよしとしていません。

 つまり、申告漏れがある可能性が高いところを選んで調査に入ります。「国税庁レポート2015」によれば、2013(平成25)年度に所得税・源泉所得税・法人税・消費税が問題となった実地調査件数は、38.9万件。法人税だけで見ると約9.1万件で、そのうち6.6万件、金額にして7,515億円の申告漏れが見つかっています。約7割という高い発見率です。

税務調査官が気になるのはどんな会社か?

 税務調査というと、伊丹十三監督の映画『マルサの女』が思い浮かびますが、劇中に出てくる強制査察は、実際にはまれな例です。これは極めて悪質な脱税と判断される場合に講じられる手段なのです。通常は任意調査といって、事前通告があって強制ではなく、調査を断ることも可能な方法がとられます。

 しかし、税務署からの印象が悪くなるので、任意調査の拒否は推奨されていません。前述のように、調査官は問題がある可能性が高いと踏んで調査に入るのでなおさらです。

 一般的に以下のような会社が、税務調査の対象になりやすいといわれます。

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納見 哲三

納見 哲三
【記事監修】

納見哲三税理士事務所所長。税理士事務所勤務を経て、政府系金融機関の関連会社で事業承継やタックスプランニングに従事。独立後は、オーナー企業を中心に、社長や社員にとって最適な事業永続の方法を見極め、経営改善計画や起業支援を中心に、実践的なコンサルティングを展開。難解な税務問題でも、平易にわかりやすく伝えるその指導法に人気が高い。

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