顧客に丁寧に対応していたつもりが、突然、激怒し、大声で怒鳴り出すケースがあるとします。こんな時、気が動転し、ただ謝罪しかできなくなることもあるかもしれません。しかし、その応対はかえって、相手の気持ちを逆なでしてしまう場合があります。
激怒している相手にいったいどうすればいいのか?今回は通常のクレームに加え、悪質なクレーマーを前にしてしまったときの、実践的な対処方法についてまとめます。
最初に謝罪するのは正解か?
激怒する顧客に対して謝罪をすべきか、しないべきかは、企業や人によって意見が異なります。「揚げ足を取られるから絶対に謝るな」と指導する企業もあれば、「まずは謝って少しでも怒りを静めるべき」という方針の企業もあるでしょう。
どちらがより適切なのかは、ケースバイケースですが、企業の方針が「謝るべからず」であるのであれば、その方針に従うべきでしょう。激怒してきた顧客が悪質なクレーマーならば、相手はこちらの発言を根拠に、何かしらの利益を得えようとあの手この手のテクニックを使ってきます。そのような悪意あるやり方には、こちらも同様の心構えが必要になります。
しかし、これからできるだけ理性を持って対話をしなければいけないときに、ひと言も謝らないのはお互いの心象が悪くなりかねません。
そこで折衷案として、全面的な謝罪と受け取られない「内容を限定した謝罪」をすると良いでしょう。たとえば、「お手間をとらせて、申し訳ございません」「ご不快な思いをさせて、申し訳ございません」といったフレーズです。謝罪内容を、あくまで「クレームのための時間を取らせたこと」「クレームを入れるという不快な思いをさせたこと」に限定すれば、サービス全体の謝罪にはならないため、揚げ足を取られるケースも少なくなるでしょう。
聞き役に徹し、相手の気を落ち着かせる
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