2017.12.13 (Wed)

朝礼ネタ帳(第118回)

業務効率UPにはマルチでなくシングルタスクが有効!?

posted by Biz Drive編集部

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 会議に必要な資料を作りながら、新しい専門用語を調べようとネットサーフィンをしていたら、肝心の資料が完成しなかった。あるいは、会議中にメールチェックをしていたところ発言を求められたが、質問を覚えていなかったため答えられなかった。毎日多忙を極めるビジネスパーソンなら、複数の仕事をこなして時間短縮を狙ったつもりだったが、前述のように両方とも中途半端になり時間がかかってしまった、という経験があるのではないでしょうか。

 人は目の前の作業を行いながらも、次の作業の段取りを考えるような「マルチタスク」を無意識に行っているときがあります。しかし、近年ではこのマルチタスクこそが、作業効率を低下させる原因になっているという研究が、脳科学やビジネス行動学などの分野で明らかになってきました。

 本記事は、米・コーネル大学の客員教員で、リーダーシップやチームマネジメントなどの指導を行う企業のCEOでもあるデボラ・ザック氏の著書『SINGLE TASK 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる』にある、仕事の効率をアップさせる「シングルタスク」という仕事術について紹介します。

「マルチタスク」がテキパキという幻想を捨てる

 ザック氏は「マルチタスクというものは、そもそも存在しない」と断言しています。マルチタスクと考えられていたものの実態は、複数のタスクを都度で切り替えなら処理する「タスク・スイッチング」であると述べており、人間の脳は並行して複数のことを同時処理できるような集中力や構造を持ち合わせていないとしています。

 たとえば、車の運転中にスマホで仕事のメールをチェックする、同僚と電話で打ち合わせをしながら見積書を作成するといった場合に、どちらかの作業でミスが生じるだろうということは経験則から理解できます。

 またタスク・スイッチングを行っているような情報が押し寄せる刺激にさらされている状態が続くと、脳は縮むというメカニズムが解明されています。優先順位がつけられない複数の要求を脳に処理させる実験を行ったところ、脳は圧倒されてストレスを感じ、情報処理能力を低下させる「コルチゾール」というホルモンが分泌し始めたのです。コルチゾールは脳を萎縮させ、ネガティブな感情に支配されやすい状態にするホルモンのため、結果的に脳がうまく機能しなくなりました。

 マルチタスクは実験でも非効率ということが分かり、ザック氏は一点集中の「シングルタスク」にシフトするほうが、作業効率やクオリティーを高められると提唱しています。

タスク・スイッチングは脳に負担をかけている

 マルチタスクで脳が縮む状態とは逆に、外部情報が遮断されると脳の集中力が飛躍的に高まる「フロー」という状態があります。

 たとえば、アスリートが周囲の音などの情報を意識しなくなり、競技で高いパフォーマンスを発揮するという状態がフローです。仕事でも脳がフローの状態になるようにシングルタスクを実践すれば、良いアイディアが浮ぶようになったり、作業を効率よく進められることが期待できます。

デキるビジネスパーソンこそ「シングルタスク」を

 しかし、いざ仕事でシングルタスクを実践しようとすると、電話やメール、SNSの通知アラートといった邪魔な存在が数多くあることに気づくでしょう。さらに、人の脳は1つのことにじっくりと向き合うのを避けたがる傾向があるそうです。新しい情報が目や耳から入ると、脳はそちらに意識を向けてしまいます。

 ザック氏は脳の傾向を理解して、意識的に集中力をコントロールできる環境づくりが大切だと説明しています。

 余計な情報をシャットダウンするために、まずスマートフォンはサイレントモードに、パソコンなどのアラートもオフにしましょう。

 またメールを読む・返信する、電話をする、必要な備品を取りに行くなどの1日に複数回行うような作業は、こまめに行わず、時間を決めて一括処理するようにします。

 環境を整えたら、すぐに仕事に取り掛かるのではなく、毎朝5分程度でその日に片付ける仕事の予定を書き出します。その作業で、どの仕事に集中すべきかを判断します。これによって集中力を高めるポイントや時間帯を、自分でも認識できるのです。

 以上のように、時間や環境を自らコントロールすれば、限られた時間を効率的に使うという認識も生まれてきます。さらにシングルタスクで集中力をコントロールできようになれば、仕事もテキパキと捗るでしょう。日々の仕事に追われていると感じているビジネスパーソンこそ、マルチタスクから卒業して、シングルタスクによる集中力アップを試みてください。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2017年11月27日)のものです。

【参考書籍】
デボラ・ザック『SINGLE TASK 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる』ダイヤモンド社

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