2017.11.15 (Wed)

朝礼ネタ帳(第114回)

あなたの仕事は近い将来、人工知能に奪われる!?

posted by 大福 汁粉/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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 マイケル・オズボーン准教授が2013年に発表した「未来の雇用:いかに仕事はコンピュータ化されていくか」という論文は、アメリカ政府が定めた702職種のうち、10年後には47%が人工知能を備えたコンピュータに仕事を奪われるという衝撃的な内容でした。一見突拍子もない論文のようにも思えましたが、近年の人工知能の進化や、モーターショーなどで自動車メーカーが積極的に自動運転技術などを発表している情勢を考えると、現実味のあるものとして注目が高まっています。

 その論文にある「人工知能が人間の仕事を奪う」という視点から、奪われてしまう仕事と奪われない仕事が、どのようなものであるかを解説します。

具体的に示された侵略される職業

 前述の論文以外にも、人工知能の発達によって、人間が行っていた職業が奪われるという議論が活発になっています。

 それらが現実味を帯びたのは、IBMの開発したWatsonがクイズ番組でチャンピオンを破ったことや、Googleが開発したAlphaGoが囲碁のトップ棋士を破ったことなどにより、人工知能の判断能力が人間のそれを凌駕しつつあることが明らかになっています。

 人間の担ってきた職業が自動化されて生産性が向上するという好意的な評価がある一方で、ホワイトカラーといわれる職業までが人工知能やロボットに奪われるので、大量の失業者が発生するという不安の声も少なくありません。

 こうした議論はアカデミズムの分野では以前からありましたが、オズボーン氏が発表した論文によって、ジャーナリズムやビジネスの領域でも議論が活発になりました。

 論文の最後には、職業別の消滅可能性と順位までが細かく数字とともに発表されています。そのなかで、事務員や銀行の融資担当者、スーパーのレジ係、映写技師など、ブルーカラー職だけではなくホワイトカラー職に至るまで、多数の職業が消滅する可能性が高い、と名指しされています。この名指しが、話題性に拍車をかけたのです。

生き残るための3つの能力

 同時に論文では、機械に奪われる可能性の低い職業につていの言及もあります。それらはヘルスケアソーシャルワーカー、セールスエンジニア、心理学者、歯医者、人事マネージャー、初等教育教師などです。

 これらの職業に共通する能力は3つあります。1つ目が、多様な価値観を持つ人と議論し、結論を導き出すコミュニケーション能力です。コミュニケーションが求められる職業は、今のところ人間の専売特許であると考えられています。そのため、錯綜する意見を統合して結論を出し、アクションへつなげる能力が必要な職業は、人工知能に奪われにくいとされています。

 2つ目が、課題に挑戦し成果をあげるなどのチームワークが必要な仕事において、人を束ねるというマネジメント力やコミットメント力です。KPI(重要業績評価指標)などであらわされるようなプロジェクトの実施状況と、大小の課題や問題の兼ね合いを考えながら、優先事項を順位付けするなどといった能力も人間ならではのものです。

 3つ目が、別々の情報を結びつけることによって新たなアイディアや価値を生み出す発想力と思考力です。情報を検索するのは、人工知能の得意分野といえるでしょう。しかし、一見すると関係性のないものをつなぎ合わせたり、掛け合わせることでアイディアを産み出すには、人間の直感が必要です。新しいアイディアや課題解決策を考え出すことは、人工知能にはまだできていません。

人工知能に奪われる人・奪われない人

 前述した3つの能力は、社会性や創造力に関するものです。現段階で、人工知能はこれらの能力が必要な職業を得意とはしていません。一方で、検索や再現といった能力は人工知能の得意分野です。オズボーン氏は「19世紀、イギリスの産業革命で、機織りたちが機械化を阻んだ歴史がありましたが、現在ならば国際市場で大きな遅れをとなる要因です。人工知能の進出がすすめば、職業の格差が今より激しくなるかもしれません」と論文で、人工知能の進出を阻めない理由と、職業の将来像を述べています。

 このような観点からも職業に人工知能を取り込むことは、国際競争力を維持するため企業には必要な努力といえます。そのなかで、人は創造性やマネジメント能力、チーム内でのコミュニケーション能力を身につけることがますます重要になるでしょう。

 人工知能を取り入れることによって、仕事や課題を短期間かつハイクオリティに仕上げられますので、人は事業戦略やマーケティング戦略などマネジメント分野に注力できるようになります。つまり人工知能を「味方」にすれば、仕事を奪われるどころか業績を劇的に高めることになるでしょう。

 またオズボーン氏は、未来の職業階層図には「中間層」が存在しないと論文で予測しています。職業は、一握りの上層部と大多数の下層部で形成されるそうです。この予想が現実となろうとならなくとも、人工知能は、すでにコールセンターや倉庫の在庫管理、製造業など、さまざまな職業に進出しています。人工知能の進出が阻めないのであれば、自分の職業で実践できる創造性や社会性という能力を今から研鑽し、サバイバル術を身につけておくほうが、近い将来に向けた強力な備えとなるでしょう。

【関連記事】
http://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/downloads/academic/The_Future_of_Employment.pdf
https://www.axismag.jp/posts/2015/03/53502.html

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大福 汁粉/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

塾講師、マーケ系情報コンサル等を経てフリーライターへ。企業のオウンドメディア、英語学習サイト、ニュースサイトを中心に執筆している。

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