2017.8.21 (Mon)

朝礼ネタ帳(第102回)

集中力を自在に高めるストレスとリラックスとは?

posted by 松原 留実/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

このエントリーをはてなブックマークに追加
Evernoteに保存
印刷

 書類作成に集中しようと思っても、未読メールのチェックを始めてしまう。資料を調べていたはずが、いつの間にかネットサーフィンに…。このように集中力が途切れてしまうのは、自分の精神力が弱いからと考えてしまいがちです。

 しかし集中力の持続は、精神力に左右されるものではないことが科学的に証明されています。研究によると、集中力は環境を整えることで、コントロールできるようになるそうです。今回は集中力を高めるメソッドを紹介します。

1日4時間、1回90分の集中タイムを有効に使う

 予防医学研究者・石川善樹氏の著書『仕事はうかつに始めるな 働く人のための集中力マネジメント講座』によると、人が1日のうちに集中力を発揮できるのは合計で4時間が限界とのこと。さらに1回に集中力が持続できる時間も90分が限度といわれています。それ以上続けたとしても、生産性や作業効率が低下しており、集中力が高い状態とはいえないそうです。

 また同氏の著書では、マイクロソフトが2015年に行なった調査で、人が集中力を維持できる平均時間は8秒だったそうです。2000年に同様の調査を行なった時は12秒だったというので、年々減少していることを紹介しています。

 さらに同書は、1978年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカの学者、ハーバート・サイモン氏は、1960年代に「情報が豊かになると、注意の貧困を招く」という将来の情報社会に対する警鐘を鳴らした件も紹介しています。人は目に入る情報によって集中力を乱されてしまう習性があるそうです。書類を作成していたのに、スマートフォンが着信ランプを明滅すると、手が止まったという経験は誰もがあるのではないでしょうか。このように仕事に集中しているつもりでも、人は絶えず情報に反応する習性があります。

根性以外で集中力を高める3つの方法

 情報量が豊かな社会で集中力を高めるための基本として、石川氏は3つの準備すべきことを紹介しています。

 まず気を散らせるものを「遠ざける」ことです。遠ざける対象は、自分が気を取られそうなものです。たとえばPCに向かって仕事をしていても、メールやウェブサイトが気になりはじめる人がほとんどでしょう。そこでPCのインターネット接続を切ったり、スマートフォンを目に入らない場所にしまうなどのように、遠ざけることを徹底しましょう。

 次は仕事を始めるときの気持ちと場所の関係です。「仕事が嫌だ」という気分でデスクにつくことが多いと、脳はデスクを「やる気のでない場所」と覚えてしまうという性質があるとのこと。覚えてしまうと、デスクでは集中力が一向に高まらないそうです。

 ネガティブな気分に支配されているときは、デスク以外で仕事を行うなどの工夫を石川氏はすすめています。仕事をすべき場所を、やる気の出ない場所と記憶させないようにするわけです。

 最後は、「終わりの時間」を決めることです。たとえば、この時間で資料を5ページ完成させる、企画案を10個考えるなど、終了時間と作業量を決めます。目標を立てることで、集中力を高めるのです。ただし、あくまで作業量を目標としているので、品質チェックは別の時間に行いましょう。

 この3つを実践することで、集中力を高める環境の準備が整います。この環境でストレスとリラックスの両方を意識しながら仕事をすると、集中力が高まるそうです。どのようなストレスとリラックスが集中力を高めるのに有効なのでしょうか。

ストレスとリラックの共存で集中力が高まる

 一流のスポーツ選手やミュージシャンは、ここ一番というときに高い集中力を発揮し、素晴らしいパフォーマンスを見せます。どのような状況だと集中力が高まるかを研究したところ、「失敗したらどうしよう」というストレスの後に、「全力でも失敗したなら仕方がない」という開き直りによってリラックスが生まれると、集中力が飛躍的に高まるということが分かったそうです。石川氏は、仕事においてもストレスとリラックスの両方がないと、素晴らしいパフォーマンスの源である集中力が生まれないとしています。

 石川氏は仕事の場合なら、怖い上司を思い浮かべたり、締切が近いという緊張(ストレス)を感じた後に、一生懸命やっても怒られるのは仕方ないや、間に合わなくても死ぬわけではない、といったようなリラックス状態になると、スポーツ選手やミュージシャンと同じ状態になれるとしています。

呼吸法でストレスとリラックスをつくり出す

 石川氏はストレスが強く、リラックスとの差が大きいと集中力が高まりやすいと説明しています。しかし強いストレスがいつもあるとは限りません。

 じつはストレスは恐怖などのネガティブなイメージでなくても良いそうです。ワクワクやイライラもストレスになるので「やるぞ」というポジティブな気持ちや、「なんで俺が」のような怒りでもよいとしています。

 さまざまな感情がストレスになると分かりましたが、ストレスとリラックスは呼吸法でもコントロールできます。石川氏は呼吸に着目し、短く吸ってストレス状態をつくり出し、深く吐いてリラックス状態をつくれるとしています。

 目先の仕事や数字に追われ続けていると、どうしても疲労感を無視して頑張ってしまいがちです。そのようなときは、今回紹介した環境を整えることや呼吸法を実践してみてください。集中力を自在に高められれば仕事の効率や生産性も高くなり、今よりも高い結果を成し遂げるようになるのではないでしょうか。

【参考書籍】
石川善樹『仕事はうかつに始めるな 働く人のための集中力マネジメント講座』プレジデント社

このエントリーをはてなブックマークに追加
Evernoteに保存
印刷

連載記事一覧

松原 留実/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

松原 留実/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

関西出身のフリーライター。広告代理店でのライターを経て独立。現在は求人コンテンツ制作を中心に、マーケティング、ビジネスジャンルを中心に取材・執筆を行っている。その他、履歴書・志望理由書作成のフォロー活動にも取り組んでいる。

メルマガ登録


スペシャルインタビュー


成功企業の戦略


離島の廃校で学ぶ酒造りとまちづくり

ページトップへ