2017.6.23 (Fri)

朝礼ネタ帳(第94回)

ドライクリーニングは化学やけどの恐れが!予防法は?

posted by 風間 梢

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 6月は暑さが本格化し汗をかく日も多くなるため、スーツやワイシャツなどをクリーニングに出す機会も増える時季です。そのため手持ちの衣服が足りなってしまい、「クリーニングから戻ってきたらすぐに着る」という機会が多くなるかもしれません。

 ところが、クリーニング後の衣服をすぐ着るということで、思わぬ被害を受けることがあります。その被害の1つが、ドライクリーニングの残留薬剤による“化学やけど”です。国民生活センターには「皮膚に痕が残ってしまった」という重度の被害が報告されているほど。このような被害を防ぐための予防策を紹介します。

「すぐに着用」に潜む化学やけどのリスクとは

 化学やけどとは、ドライクリーニングの薬剤が残った衣服を着用することで、皮膚に赤み・ただれなどが起きるトラブルのことです。ドライクリーニングの薬剤は“有機溶剤”に分類されます。肌へ直接に触れていない着衣でも、揮発性があるためストッキングや下着などを通過し、肌を侵すこともあるそうです。

 あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、毎年のように被害に関する報告があり、国民生活センターや消費者庁では注意を呼びかけています。

 ドライクリーニングの薬剤による被害の事例は、国民生活センターのまとめによると次のようなものが挙げられます。

「クリーニング後のズボンを、石油臭はしたが、はいて出かけたら、2時間位で気分が悪くなり足が痛くなった。大腿が水ぶくれになって、病院に行ったら、薬品によるやけどだと言われた。塗り薬と飲み薬をもらったが痛くて歩けない。痕が残るかもしれないとも言われた」

「クリーニング店にジャケットの当日仕上げを頼みすぐに着用した。着用して数時間たった頃、ヒリヒリするので調べたら両肘が赤くなっていた。2日後皮膚科で診てもらい、『石油溶剤による化学やけどの疑いがある』との診断書が出された。受け取った時から強い石油臭がした」

「クリーニングから戻った紳士ジャンパーを袋のまま部屋に吊るしていた。数日後袋をとって着用したら、眼がちかちかして涙が出、口がピリピリするのですぐ脱いだ。旅行に着て行くつもりだったが着て行けなかった」

 このように、ドライクリーニングに出した衣服に薬剤が残留していると、さまざまなトラブルが起きる可能性があります。予防策としては、ドライクリーニングから戻った衣類はすぐに袋から出し、石油臭等の異臭がしないか確認することです。またドライクリーニングに出す際は時間に余裕をもって、戻ってきた衣服はすぐに着用しないようにしましょう。

 国民生活センターは、もし異臭があるようなら、クリーニング店に再処理を依頼するか、または風通しの良い屋外に1週間くらい陰干ししてから着用することを推奨しています。屋外に干すことが推奨されている理由は、屋内に干すと揮発した薬剤で室内の空気が汚れ、気分が悪くなることもあるためです。またビニールに入れたままだと1カ月後でも薬剤が残留している場合もあるそうです。クリーニング店から戻った衣類は、着用前に異臭の確認を忘れずに行いましょう。

 国民生活センターでは、着用してから衣類の異臭に気付いた場合、なるべく早く着衣を脱ぎ、ぬるま湯でよく肌を洗い流すことを推奨しています。洗い流したら、すぐに病院の診察を受けましょう。

 国民生活センターへの報告では合成皮革、レザー、革などの冬物による化学やけどが多いとされていますが、近年では夏物アイテムでドライクリーニング指定のものがあります。たとえば、縮みやすい麻製の衣類や、新疆綿(しんきょうめん)などのプレミアムコットンと呼ばれる素材を使ったワイシャツです。型崩れに加え素材の風合いを損なう恐れがあるので、ドライクリーニングとなっています。

クリーニングのトラブルが起きたときには

 身体への影響以外にも、衣服そのものの損害(薬剤が染み付いて着られなくなった等)が起きた場合は、全国クリーニング生活衛生同業組合連合会が定める「クリーニング事故賠償基準」に基づいて、賠償を求めることができます。ほかにも全国の消費生活センターの「消費者ホットライン(188番)」にて電話で相談を受け付けています。

 ビジネスの必須アイテムであるスーツやワイシャツは、定期的なクリーニングが欠かせません。特に夏場は汗をかきやすいため、クリーニングを利用する機会も増えます。綺麗になって返ってきた衣服を安心して着るためにも、ドライクリーニングの注意点と、化学やけどへの対処法を知っておきましょう。

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風間 梢

風間 梢

フリーライター。企画、人事、ECサイト運営等を担当したのちに独立。現在は就職、流通、IT、観光関連のコラムやニュース等を執筆している。

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