2017.6.1 (Thu)

朝礼ネタ帳(第91回)

飲食店完全禁煙に喫煙者も賛成!? 今どきの喫煙事情

posted by 地蔵 重樹

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 近年、受動喫煙を防止するために完全禁煙を実施する飲食店が国内でも見られるようになりました。受動喫煙とは、他人の喫煙により生じる副流煙や呼出煙を吸ってしまうこと。特に副流煙はタバコから直接吸う煙より毒性が高く、健康被害が懸念されています。

 受動喫煙を防止するため、飲食店などでの完全禁煙に関する法令が、日本でも議論されています。この完全禁煙に関する意見調査を行なったところ、喫煙者にも「賛成派」がいるという意外な結果が浮き上がってきました。

約8割が賛成、もしくは条件付きで禁煙を指示

 株式会社インテージリサーチは、「全国1万人の飲食店完全禁煙化に関する意見調査」を、20~69歳の男女1万人に対してインターネット上で行い、2017年4月に発表しました。

 「飲食店などでの完全禁煙化に対する賛否<性・年代別>」の調査結果によると、79.1%の人たちが飲食店などでの受動喫煙防止の取り組みに賛成しています。このことから、多くの人が受動喫煙防止の取り組みに理解を示していることがわかります。

 この79.1%のうち、受動喫煙防止のために飲食店などを完全禁煙化することに対しては、「賛成」が54.4%で、「条件付きであれば賛成」が24.7%となっています。必ずしも受動喫煙防止=完全禁煙化である必要はないという立場の人が一定数いることもわかりました。

 細かな条件を付けた回答を用意した調査では、「受動喫煙防止のため、大変よい取り組みだと思う」と答えた人が51.4%と最も多いものでした。「趣旨は理解するが、喫煙者の利便性も考えて分煙までにすべき」という喫煙者への配慮を求める回答が18.3%で、これに続いていたのです。そして完全禁煙化に「反対」と答えた人の割合は全体の6.1%と非常に少数派です。喫煙者のことも考えて欲しいという本音も見えながら、受動喫煙防止のために禁煙は重要であるという見解は広まっているようです。

喫煙者も禁煙化へ反対する人はわずか22.3%

 前述の通り、禁煙化に「反対」と答えた人は全体ではわずか6.1%でしたが、「反対」と答えた人を性・年齢別で分類すると、最も多いのは50~59歳の男性で、11.8%でした。次に40~49歳の男性が10.6%と続きます。同じ男性でも20代と30代では、4.6%、8.5%と、若くなるほど反対が少なくなる傾向が見られます。

 完全禁煙化へ強固に反対している人は喫煙者なのかというと、そうでもありません。喫煙習慣別による調査結果を見ると、「反対」は喫煙者の中でも22.3%にとどまります。最も多いのは「禁煙化の主旨に理解するが分煙までにすべき」が32.6%で、喫煙者も完全禁煙化に理解を示しているか、受け入れざるを得ないと判断している人が多いとわかりました。

東京オリンピックへ向けた導入なら他地域は不要?

 完全禁煙を導入する背景には、2020年の東京オリンピックまでに公共の場での完全禁煙を徹底してほしいというWHO(世界保健機構)からの要請があります。

 そこで完全禁煙化に対して地域による意識の差についても「飲食店などでの完全禁煙化を全国展開するかどうか<居住地域別>」という調査を行なっています。「東京など、オリンピックに直接関わる自治体に限定すべきだと思う」と回答した人はわずか15.1%で、「これを機に全国的に制度化すべきだと思う」が54.2%と、全国展開すべきだと考えている人が圧倒的に多いという結果でした。

分煙ではなく、完全禁煙を推奨するWHO

 「受動喫煙」という点から、WHOが屋内では分煙ではなく、完全禁煙を推奨したことにより、海外の国々では法令や条例が施行されるようになりました。今回のアンケートで、WHOの完全禁煙を受け入れる素地が日本にも少なからずあることがわかりました。今後、完全禁煙の法案を議論する上でも参考にすべき指標の1つになるでしょう。

【参考】
『全国1万人の飲食店禁煙化に関する意識調査|社会公共関連サービス事業|株式会社インテージリサーチ』
http://www.intage-research.co.jp/service/report/20170419.html

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地蔵 重樹

地蔵 重樹

フリーライター。ニュースサイトやオウンドメディアなどのWebコンテンツや、書籍のライティングを行う。著書に『〈アウトライン記述法〉でA4一枚の文書がサクサクつくれる本』(日本実業出版社)などがある。

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