2016.7.26 (Tue)

朝礼ネタ帳(第49回)

心理学とメンタリズムで人間関係をスムーズに

posted by かとう さえ

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 取引先の 思考がいまひとつ読めなくて、提案書の提出に躊躇する、あるいは社内で部下を叱るべきか励ますべきかなど、“もしも相手の気持ちが読めたなら”というシーンは多いものです。ここでは、相手の気持ちを読むための、ぜひ覚えておきたいテクニックをみなさんにご紹介します。

目は口ほどにものを言う!? 表情から読み取る相手の気持ち

 多くの人は「相手の立場になって考える」という言葉を耳にしたことがあると思います。しかし、本音と建て前を使い分けることが多いビジネスの現場では、相手の思考を把握するのは少々困難です。そんなときは、相手の表情や行動から気持ちを読み取ってみましょう。代表的な例をいくつか紹介します。

目の動き
・嘘をついていると目線が右に流れる

顔をさわる
・アゴをさする…立場が上であることを主張している
・頬をなでる…緊張を解きほぐしている
・耳をさわる…他に関心が移っている

態度
・腕組み…相手の話を聞き入れていない
・足を頻繁に組み替える…早く話を終わらせてほしい
・両手を上げる…巨勢を張って自分を大きく見せようとしている

 もちろん個人差などがあるので絶対とは言い切れませんが、傾向として覚えておけば相手の気持ちをくみ取る参考になります。

 近頃世間を騒がせた東京都知事の会見では、両手を上にあげ、身の潔白を強調しているシーンが見られました。しかし、その後の会見では鼻をさわったり、あらぬ方向を見たりと、落ち着かない態度が増えてきました。心の内は、穏やかではなかったのかもしれません。

覚えておきたい“メンタリズム”

 メンタリズムとは、心理学を利用した誘導テクニックです。つまり、相手の気持ちを読み、掴み、自分の思う方向へと誘導するのです。ここではメンタリズムの3つのテクニックを紹介しましょう。

ドアインザフェイス
 相手の罪悪感を利用したメンタリズムの手法で、交渉テクニックとして利用されます。たとえば、取引業者に「納品は1週間後にお願いします」と伝えたら「いいえ、1週間では無理です」と返答があったとします。そこで「では3日伸ばして、10日後ではどうでしょうか?」と尋ねると、「3日伸ばしていただけるなら、やりましょう」という運びになります。

 実は、依頼する側は最初から10日後の納品で良かったとしたらどうでしょう?最初から10日後と申し出た場合、断られる可能性が考えられます。 “返報性の心理”とも呼ばれており、交渉術のひとつとして教えているビジネススクールもあるようです。

パワーシェイクハンド
 自分を優位な立場に置くことは、経営や交渉をリードする基本です。そのためにはまず、最初の握手の場面から考慮する必要があります。具体的には、右手で握手をして左手を相手の右ひじに添えましょう。これだけで、立場が優位になるのか疑問に感じる人もいるでしょうが、アメリカ大統領の握手を思い浮かべてみてください。このような握手をしていることが多いことがわかるでしょう。

ダブル・バインド
 相手に主導権を握らせないことも、ビジネスを上手に運ぶ基本です。ダブル・バインドとは、相手に依頼をする際にNOと言えない状況を作る方法です。たとえば部下に業務を命じるとき、「このデータ、明日までにまとめられる?」と聞いたら「他の業務があるので、できません」と返答が来る可能性が考えられます。

 そこで言い方を変えて、「このデータ、今日中にまとめてもらえるかな?無理なら明日でもいいんだけど」と聞くと「今日は難しいですが、明日ならできるかもしれません」という返答が期待できます。前者の依頼はYesかNoで答えられますが、後者の場合は二者択一の状況となるため“明日やる”という楽なほうを選ぶ可能性があるほか、部下は「結果的に相手に自分から選択した」という納得感も得られます。

 これらは、あくまで一般的な深層心理の一例です。しかし、人の気持ちがどのようにして表情・態度に出るのか、または自分に優位な答えを導く方法を知っているほうが、さまざまな場で役立つのではないでしょうか。

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かとう さえ

かとう さえ

ライター。デザイン事務所をベースに、ネーミングやコピー、および英語翻訳を手掛ける。フリーとして、美容とヘルスケア、ライフスタイルに関する記事をメインに執筆中。

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